Alan Lomax (2004/3/4)

じろうさんよりAlan Lomax氏についてのいい話を聞きました。

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 先日Alan Lomaxの録音のCDを買って、はまりまくってしまいました。

 Alan Lomax氏はお父さんのJohnさんと共に、1930年代に国会図書館のリサーチでアメリカ全土を旅して、 Blues, Spiritual, Gospel, Folk Song, Creole Music等をフィールド録音された方です。 Bluesファンにもお馴染み、というかCajun, Creole MusicよりもBluesのフィールドのほうが有名ですね。

 この録音は、曲が素晴らしいのに加えて、録音環境が面白いのではまってしまっています。 「○○さんちのお父さんがたくさん歌を知っているよ」というような口コミ情報を元に、 そのお宅に訪問して、ニワトリが鳴いている庭で録音したり。 昔のCajunの人々の歌(ダンス用の今のCajun Musicとは区別される)は、酔っ払いソングが多く、 実際にバーで取材して録音されたわけですが、歌っている人が酔っ払ってふらついて、イスを「ガタッ」と動かしてしまった音が入っていたり。 また基本的にパフォーマーは素人さんなんで、歌い終わった後で「どないや?」と言っていたりするのも楽しいです。 ということで、Cajun、Zydecoファンの人にウケルかどうかは?で、むしろ、普通の音楽ファンの人の方が楽しめるかもしれません。 現在、Marceさんの「ケイジャン民謡教室」に通っているのですが、そこではこの録音の曲を習ったりしています。 歌詞の内容も面白いし、フランス語も当時の生のCajun Frenchなんで、なかなか奥が深いです。 Steve Rileyの最新作に入っている"La Chanson de Savoy"の元ネタやZydecoの原型の曲なんかも収録されています。 個人的には、Hoffpauirファミリーの娘さんたちが歌っているのがキュートでお気に入りですわ。

 またAlan Lomax氏とDr. Anceletが、1970年代にこの録音のパフォーマー達を再訪する旅をした際のエピソードで... この録音で歌を歌っていた女の人が、娘さんを産んですぐに亡くなられたそうで、 そのときに生まれた娘さんが大きくなっていて、彼らにこの録音聴かされて「生まれて初めて母親の声を聞いた」と涙されたそうです。 Dr. Ancelet曰く、「リサーチの仕事をしていて良かったと思った瞬間のひとつだった。」とのこと。 ということで、この録音集にはいろんな物語が詰まっているのです。

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