−六日目(最終日)−


 現地日時 1997.11.11(火) 雨 am5:30

 昨夜、念のためフロントの黒人男性に朝五 時に起こしてほしいと頼んでおいた。しかし部屋の電話は壊れているので部屋を直に ノックしてくれるとの事。結局五時には二人共起きていたのだが来ない。三十分程し てからノックが。福田氏がドアを開けると三十分も遅れたのに当然のごとくな振る舞 いだったらしい。

 この街の人達はみんなのんびりしている。一つの仕事を完全に終わらしてから次の 仕事にかかる。その仕事が遅れたら次の仕事も遅れるのはあたりまえ。旨い店で食事 をするためには何時間でも並んで待つのはあたりまえ。何時に来るか判らないバスや 路面電車を歩いた方が早いんじゃないかなどと考えずに待つのもあたりまえ。まるで この街の時間は、川とは言っても流れてんだかどうだかわからないミシシッピ川のよ うだ。

 そんなフロントの黒人男性がゆっくりとチェックアウトを手続きを行い、空港まで のタクシーも電話で手配してくれた。固定料金で$21.00という契約もしておいてくれ た。ニューオリンズでは空港〜フレンチクォータ周辺間のタクシー料金は$21.00と定 められている。にもかかわらず、この規定を知らない旅行者が悪徳タクシーにぼった くられる事が多いそうだ。

 そうこうしているうちに既に六時十五分を過ぎる。飛行機の時間は七時五十分。早 めに行動し始めたつもりだったが、ちょうど良い時間になってしまった。雨の朝のニ ューオリンズをぶっ飛ばすタクシーの中、旅の終わりを実感する。無言。

 簡単な出国審査(日本語で書かれた質問プレートを見せられて、イエス・ノーで答 えるだけ。内容は「知らない人から電話がかかってきたか?」等)を終え、飛行機に乗 り込む。

 飛行機は離陸する。今日は雨が降っているのでニューオリンズはあっと言う間に厚 い雲に覆われ、僕の目から消え失せた。まるで今回の旅行は幻だったかのように。

− 終 −




− 後 記 −

 今回の旅行で痛烈に感じた事だは、自分の語学力の無さだ。特に相手が何を言って るのかが判らない。もしかしたら旨いビールをすすめてくれたのかもしれない、隣の 席ではどんな話で盛り上がってたのか、気の効いた言い方でモノを頼めたら、もっと いろんな経験が出来た旅行になっていただろうと思う。次回のニューオリンズ旅行迄 には英会話をやっておく事を宣言しよう。


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