−五日目− TIPITINA'S


 現地日時 1997.11.10(月) 雨のち晴 am11:00起床

 ゆっくり出来るのも今日で 最後だ。朝昼食は、もう一度食べておきたい 「カフェデュモンド」でカフェオレと ベニエにすることにした。朝降っていた雨もベニエをほおばっているうちにやんだ。 とりあえず昼間はぶらぶら歩く事にした。少しながらのお土産を物色することも兼ねて。

street1 street2
福田氏、大道芸に参加

 どの土産物屋でもメイド・イン・チャイナやタイワンの物を置いている。とりあえず ピーターストリートにある「ゾンビーズ・ハウス・オブ・ブードゥー」という店は本物を 扱っていそうだ。店員の白人女性も茶目っ気があって感じが良い。店内は邪教とも言 われているブードゥー教ゆかりのモノが並んでいてちょっと不気味。仮面、人形、ア クセサリー、お香、ロウソク等が所狭しと置かれている。

ジャクソン・ブリューワリー前  ジャクソン広場の斜め前にある「ジャクソン・ブリューワリー」という土産屋の店舗 がぎっしり詰まった建物に行った。ビール醸造所を改装したそうだが別に旨いビール を飲ませてくれるようなサービスは無かった。結構綺麗な内装で、高そうなブランド の店もある。ここのトイレは良く利用させてもらった。インスタントのガンボを買っ た。福田氏はコーヒー豆やベニエの粉末材料を買い込んでいた。後日、彼の家で御馳 走になれるだろう。此処では今迄あまり見かけなかった日本人らしき観光客達を見た。 たしかに僕等が行くような夜中の繁華街やライブハウスには行かなさそうなな人達だ ったけど、、、、音楽を聴く以外に楽しい所がそんなにあるのかな?

 ある店でミニチュアの人形を見ていると南米系の店員が寄ってきて「うちに置いて ある人形は全てオリジナルだ」と言うが人形を摘んで裏を見るとおもいっきりメイド ・イン・チャイナのシールが。さらに妙なてっぺんハゲでトランペットを吹いている人 形を指して「ルイ・アームストロングね」などと薦めてくる。ぜんぜん似てないので おもわず苦笑いしてしまった。

 先日行った「カルディ」というコーヒー屋にもう一度行ってみる。前回は変なコーヒ ーを注文してしまったので、今回はエスプレッソを頼んでみた。さすがに味はまあま あのモノが出てきたが、他のモノと同じ様に大きい紙コップに入れてきた。エスプレ ッソは量が少ないので紙コップの底の方にちょろっと入っている様が味を半減。

 レコード屋「ルイジアナ・ミュージック・ファクトリー」に行く。日本で手に入らなそ うなモノが無いかをチェックした。僕はニュー・バース・ブラス・バンドを購入。多分、 デビュー盤だろう。まだ若そうな黒人達で、悪ガキ六人組という感じ。

 夕食は今まで入れなかった「ガンボ・ショップ」へ行く。ここもいつもは並ばないと 入れなかったが、今日は月曜日なのですぐ入れた。煙草を吸うと店員に伝えると屋根 が吹き抜けの部屋へ案内してくれた。もう夕刻なのでちょっと肌寒いが熱放射の指向 性が優れているストーブがあるので大丈夫だ。こんなストーブは初めて見た。2タイ プあったが例えて言うなら、一つはよく田舎の食堂などにある青白く光る虫取りのよ う感じだ。結構、高い位置からでも熱が伝わってくる。もう一つのタイプはキノコの 様な形をした大きいストーブで熱がカサの部分から四方八方に広がっていく。チキン ・ガンボとビールを注文したつもりだったが、出てきたのはどう見てもシーフード・ガ ンボだった。大きなエビやカキや貝柱がゴロゴロ。まあ旨いので良しとする。

プロフェッサー・ロングヘアー
プロフェッサー・ロングヘアー
 昨日会ったヒロナリさんに電話をしようと思ったがホテルの電話がブッ壊れている。 しょうがないので外の公衆電話でかけようとしたがぜんぜんダメ。何台か並んでいる 中でたまにつながったかと思うとアナウンステープが流れてきたりする。僕には何言 ってるか判らん。ホテルのフロントの兄ちゃんに部屋の電話は壊れているし公衆電話 はつながらないと言ったらフロントの電話を渋々貸してくれた。しかし、残念ながら ヒロナリさんの方が都合が悪くなってしまったらしい。また来年三月に 高円寺「JI ROKICHI」で会いましょうという事に。とりあえず、ニューオリンズ最後の夜 なので「ティピティーナ」というライブハウスに行く事にした。(地元の人達は通称 「Tip's」ティップスと呼んでいる) 此処は僕がピアノの師としているプロフェッサー・ロングヘアーゆかりのライブハウスだ。 彼は最盛期には此処でライブをよくやっていたし、 此処の事を歌った(?)「ティピティーナ」という曲も彼の代表曲のひとつだ。僕 にとっては聖地。ホテルからは目の前のカナルストリートを通っている路面電車で アップタウンの ナポレオンストリートまで行き、そこからミシシッピ川へ向かって 15分程歩く。この辺りは大学の施設や、歩道から玄関までが遠い豪邸が並んでいる。 人通りはまったく無い。こんな所でホールドアップされたらどうしよう。落ち葉を踏 みつけ、足早に進む。幸い、誰ともすれちがう事なく「ティピティーナ」に到着。

train1 train2

ティピティーナ前 もうステージは始まっているらしく、ラッパの音が外まで聞こえる。チャージは一人$3.00。 今日のアーティストは先程CDを入手したニュー・バース・ブラスバンドだ。カウンタ ーでビールを注文したが音が大きく、僕の発音も悪い為かなかなか伝わらない。手っ とり早く生ビールを注ぐ把手を指さした。ここで驚いたのがニューオリンズ旅行最後 の夜にしてパスポートの提示を求められたのだ。そんなに童顔かなぁ。顎髭生やして いるのに。

ニュー・バース・ブラスバンド
ニュー・バース・ブラスバンド
 ビールを持って中央のテーブル席へ。客は少ない、二十人程かな。後に増えてきた けど、それでも全体で五十人いるかいないか。どうやら月曜日はいつもこんな感じら しい。スケジュール表を見てもかなりの大物が出演しないかぎりチャージも$3.00で 他の曜日より安い。店の作りだが、結構広く、ステージ前はダンススペースがあり、 後ろ半分がテーブル席、両サイド、後ろには二階席もあるようだ。他の日のポスター を見たところ、ディナーとセットのチケットも販売してたので食事もできると思う。 フロアの左側には当時のプロフェッサー・ロングヘアーのライブ告知ポスターが数枚 展示されていた。うーん、一枚欲しいな。店内にはプロフェッサー・ロングヘアーの プリントTシャツなどが販売されてたが、ちょっと恥ずかしいのでティピティーナの ロゴ入りキャップ($15.00)を買った。ステージ上のニュー・バース・ブラスバンドはC Dジャケットでも見たとうり、かなり若そうな感じだ。勢いは認めるがニューオリンズ の大御所ダーティー・ダズン・ブラスバンドに比べると音圧がかなり軽い。連日連夜 の広範囲な行動と、とうとう「ティピティーナ」に来たという安心感からか、彼らには 失礼だがちょっとウトウトしてしまった。斜め後ろにいた福田氏は、僕が頭をコクコ クと動かしていたのはノッていたのかと思ったそうだ。しかし帰国後に聴いたが、買 って来たCDの内容は素晴らしいものだった。

ティピティーナロゴ

 もう、思い残す事はないかなと思いつつ、最後にもう一度バーボンストリートを ぶらついて見ることにした。いやぁ、やっぱりこの通りはつまんないな。いい気にな って酔っぱらってる白人観光客がえらくムカツク。なんでこいつらはこんなにカッコ 悪いんだろうか。撫で肩で中肉デブが多し。こりゃあ、たまに旅行者が黒人に撃たれ るというのも理解できるよ。(人種差別発言と受け取られてしまったら申し訳ない) とりあえず24時間ビールが安くてピザが旨いというのが便利な所かな。

 明日は朝早くに出発なので福田氏と交代で寝るようにする。二人いっぺんに寝たら 絶対ヤバイもんね。でも、あと三時間あまりだ。


BACK NEXT