Festival International de Louisianne
(at DownTown Lafayette 2004/4/24 - )


 4 月 25 日 (日)

 朝、曇りがち。
皆と話してると、「さっき Lafayette の友達が電話してきたけど、かなり雨降ってるって」 ああ、そらぁ困った、と思ってると・・・・こっちも降ってきたではないか。 おまけに、私が出ようとすると雨脚が強まるので、しまいには責められた(笑)。

 昨夜の Zydeco Force @ Richard's は、とても楽しかったそう。 メンバーの親戚や家族とその子供が沢山来ていて、色んな食べ物も振る舞われていたらしい。 ああ〜、楽しかったやろうなあ、けど、体は一つしかありません。 いつも南西ルイジアナに来ると感じるジレンマ。

 アコーディオンをちょっと弾いたあと、支度して出かける。 Lafayette には昼 12 時半頃着く。 雨は止んでいた。 車を同じ所に停めようとしていると、対抗の車から Marce Lacouture が手を振ってる。 何故か彼女とは、車を停めようとしている時に会うなぁ。 偶然とは言えないくらいの確立である。 彼女、今日はステージの出番はなくて、単に見に来はったらしい。

 今日もまず、ジャムセッション会場に向かう。 テーブルには、午後 2 時からホストの Dexter Ardoin が座ってたので、挨拶して話す。 アコーディオンの話になったんだけど、彼のアコーディオン(Bフラット)は、とても新しいのだという。
Dexter「去年の終わり頃、東部ツアーしてた時、ショウが終わってから、知らん人が来てね、 このアコーディオン売ってくれ!って言うんや、で、売れないって言うと、2000ドル出す!って言うんで、 ほなら売る、って売った」
Atsuko「え?何、それ、はははは、けどその後どうしたの?」
Dexter「急いで Larry Miller に電話して、(作り置きの)Bフラットあるか?って」
Atsuko「で、あったのね?」
Dexter「そう、すぐに買いに行った」
Atsuko「けど、この新しいの、前の(CD ジャケットで持ってるの)とそっくりやん、偶然?」
Dexter「そう、偶然」
Atsuko「けど、それって、この新しいのがタダで買えた訳やね」
Dexter「そうそう」
なので、今使ってるのは、9月に Yoshitake さんが見られた時のと似てるけど違うのです。 どっちにしても、アコーディオンは作るのに数週間はかかるので、有って良かったね。

 午後 1 時 45 分頃、Dexter のジャムを見たかったけど、時間が重なっているので、 Dexter のおじいちゃん Bois Sec Ardoin を見に、Scene Heritage のテントに行く。

 Bois Sec Ardoinと Cedric Watson の二人によるステージは、良く知られたクレオール・チューンで進めて行く。 Bois Sec は、曲を知らんうちに終わったりする、オールドタイマーには良くあるる感じなので、Cedric が戸惑いながらも合わせていた。

Cedric Watson (左) & Bois Sec Ardoin (右)

 Lil Pop Ledet が見に来ていたので、昨日使っていた、あのまっ黄色アコのキーを聞くと、Aフラットだそうだ。 なんでそのキーが要るのか聞いたら、彼の声に合わせる為という妥当なお答え。 Geno Delafose の白いザリガニがAフラットで、そのアコの音は金属っぽくて嫌いなんやけど、と言うと、 それはウエット・チューニングと違う?と Lil Pop。 そう、Geno のはウエットで正解。(それも、フル・ストロング・ウエットだ) Lil Pop のドライなので、そんな変な音してなかったのか。 という訳で、Aフラットを買う人、チューニングはドライにしましょう。(って、誰も要らんか、そんなキー)

 Curley Taylor が奥さんと歩いてた。 今日も見に来たのかぁ? ここで聞いたのだけど、Curley のバンドのキーボードは Chris Ardoin と掛け持ちしてるらしい。 Chris は先月見たので、どうりで何処かで見た顔だと思った。 キーボードの兄ちゃんも、こっちの事を「何処かで見た」と覚えてたらしいが(笑)。 最近は Curley の方が忙しくなったので、Chris の方は抜けたらしい。

 Bois Sec の時間と重なって、午後 2 時からは、Fiddlers 4 がある。 これは BeauSoleil の Michael Doucet と、他の 3 人の違うタイプのフィドラー 、 Bruce Molsky、Darol Anger、Rushad Eggleston で構成されていて、CD が一枚出ている。 ずっと見たいと思っていたのだけど、なかなか見られる所に来てくれなかったのだ。 これも今回来た理由の一つなので、また後ろ髪で、Scene Fais Do Do に向かうのだが、 ステージ手前で後ろから呼び止められた。


Scene Fais Do-Doステージ

 をを、Jimmy Breaux(BeauSoleil)のお姉ちゃんではないですか。 ダンナさんも横に居る。
「さっきテントの所で見かけてから、ずっと呼び止めてたのよぉ〜」
Atsuko「そ、それはすみません」
姉ちゃんは息を切らしてます。
Atsuko「あ、3週間前にね、Jimmy のクラス取ったんですよ、Lake Fausse で」
「それやったら、お義父さん(U.J.Meaux)も行ったよ」
Atsuko「そうそう、La Pousiere でも見たけど、キャンプにも来はりました」
「Jimmy はなかなかつかまらないのよねぇ、今日も、Michael(Doucet)がステージに居るの見て、あ、Jimmy は家に居るわ、と思ったくらいよ」 あはは、風来坊なんだねえ。 お姉さんの息子さんの話など、世間話もする。

 いつも BeauSoleil があると張り付いて見ている私なので、お姉さんはこっちの顔は覚えてて、 2 年前の Festivals Acadiens の時に初めて話した。 南西ルイジアナの女性特有の、ゆったりとした訛りで話す、とても気さくな人である。 Festival International に来た事がないので、今年は毎年恒例にしている Crawfish Festival でなくこっちにしたという話をすると、 今年、African American Crawfish Festival の方は開催されないらしい。 なので、一つだけになったフェスは、混雑するんじゃなかしらねえ、との事でした。 だいたい、あんな小さい町で、同時開催で二つのフェスというのも凄いのだけどね。

 Fiddler 4 は、真ん前に行って、見る。 名前は Fiddlers「4」なんだけど、フィドルは 3 人で、Rushad は左側で座ってチェロを弾いている。




 CD に入っている曲を演っていって楽しんでいたのだけど、午後 2 時半頃、ぽつり、ぽつりと来たな、 と思ったとたんに凄い雨が降ってきた。 ステージの上の皆、慌てて楽器を仕舞ってしまった。 観客も蜘蛛の子を散らしたように、皆何処かへ行ってしまった。 今日は準備万端、ポンチョを持ってきていたので、それをかぶって難を逃れる。 しかしああ、せっかく楽しみにしてたのに、何じゃああああ。

 取り敢えず Scene Heritage のテントに戻る、が、ここもポンプが追いつかない池状態で、 おまけに雨の為に電気系統が使えず、演奏が中断されたまま。

 雨が小ぶりになってきて、Dexter Ardoin がスタンバイしてるのだけど、とうとう終了時間になって、片づけ始めた。 がっかり・・・・と言うところで・・・やっぱり、アンプラグドで演奏します、とアナウンスがあった。 やっと Dexter をバンドで見られる、と思っていたので残念ではあったけど、こんな形で見るのもあまりないだろう。 ドラムは Dexter の兄弟(多分弟)というので、演奏見たかったが。 バンドのフィドル、Dennis Stroughmatt は白人だった。 雨がまた降ってきたりして、雨音と人の声の合間に演奏が聞こえる。 お客さんは踊ってる。 昔のハウスダンスみたいだねえ。


 この後、まだおまけがあった。
予定されていた Corey Harris は中止になったのだけど、ケイジャンとザディコの有志でのアンプラグド・セッション。 左から Dennis Stroughmatt、Cedric Watson、D'Jalma Garnier、Corey "Lil Pop" Ledet、Blake Castille、James Adams と並んで、皆楽しそうに演奏している。 こっちも楽しい。



 雨の中、カズコさんにまた会った。 またまたお腹が空いていたので、今日は Crawfish Etouffee と、Fried Catfish をブースで買って食べる。 カズコさんは、Zydeco Festival にも何回か行かれているのに、いままで Paul Scott と対面した事ないというので、紹介する。 色々話が盛り上がっていたみたいです。 風もあって、せっかく食べてた Fried Crawfish が途中で飛ばされてしまった。

 Paul によると、他のステージ全部中止になってしまったらしい。 彼はこのあと、ここで演るはずだった Corey Harris がお気に入りで「Corey は見なあかんで、見なあかんで」と何度も言ってたので、残念そうだった。

 なんとなく尻切れとんぼでフェスが終わってしまったし、雨のお陰で、変な疲れ方をした。 カズコさんと、このあと Bluemoon Saloon に寄りませんか?という事になったのだけど、その前に、寒いし、取り敢えずコーヒー飲みに行きましょう、と隣の Mello Joy Coffee まで行く。 座ってほっと一息していると、知り合いの Trish と Marla が一緒に入って来た。 D’Jalma Garnier もコーヒーを買いに来ていた。 フェスも終わったので、昨日ほどは混んでないにせよ、なんかここ、雨の避難場所みたいだねえ。 カズコさんと、色んなミュージシャンの話になる。

 それから、私の車まで歩いて行って、私は靴を換えた。 フェス御用達のドック・マーティンのブーツも水が入っていたので、気持ち悪かったのだ。 そこから Bluemoon Saloon まで歩いて行く。

 入ったとたん、お金を払うところで Bluerunners の Adrian Huval がアコーディオン・ケースを抱えて歩いてきた。 あれ?今日ここで演ったの?
Adrian「今終わったとこ」
Atsuko「今日、フェスでは演奏した?」
Adrian「いや、せんかった」
そうか・・・中止になったステージのバンド、ここで色々やってるんか。

 次は Lost Bayou Ramblers。
メンバーは 20 代と若いのに、かなりトラディショナルな演奏をするバンド。 Ray Abshire が何曲かでアコーディオンを弾いた。 今夜は Festival International の関係者がタダで入れるパーティーも兼ねていて、なかなかの人出。 その上、雨用に張ってあるテントに水が溜まるので、たまにかい出すのだけど、それをかぶってるアホなお兄さんもいたりして。 Dexter Ardoin がやってきたり、他にもミュージシャンがいたりするのだけど、雨も止まないし、居場所がない感じ。

 この辺で今日は Baton Rouge に運転して帰らないといけないので、とカズコさんが帰られた。 Bluemoon は初めてというので、体験程度には良かったかなあ?。 いつもはこんなアホなお客ばっかりではありませんが・・・・ そうこうしてると、宿を共にしている Agi ご一行がやってきた。

 今日のトリ、Racines だが、これはセッション的バンド。 Steve Riley、Kevin Wimmer、Chris Stafford、Mitch Reed、ドラムは誰やったか失念。 Mitch の奥さん Lisa がトライアングルをやっていた。 始まる前、Mitch Reed と少し話す。

 混んでるし、雨やし、ゆっくり音を聴ける状態でないので、Agi と、帰って皆でアコーディオンの練習しよう、って事になる。 それぞれの車で Opelousas へ。

 帰ると、Jim & Christy も帰って来ていて、明日の早朝帰る準備をしていた。 Linda も加わり、結局、皆で話が始まる。 Jim & Christy 以外は初めて知り合った人達なんだけど、共通の目的でここ南西ルイジアナにやって来ているせいか、すぐに話ができるし、その話も盛り上がる。 雨で疲れていながらも、とても楽しい夕べになった。



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