9/17 (Fri) atsuko レポート

 17日(金)

 朝、起きて窓から外を見ると、あれ?4 月に来たときにはない建物がある。 そうか、これが最近何処かで買って、この敷地に写してきた Train Depot なのだな。 この建物、将来はダンスホール(プライヴェート)にする予定だとか。 アイスカフェオーレを作って外に出て、ポーチでのんびりする。 いつもの如くパンを焼いて食べようと思ったら、Christy が朝ご飯を作ってくれたので、皆と一緒に食べる。

 Jim が Lafayette の Walmart に買い物に行かないといけないので、喉の薬を買う Cedric と一緒に行った。 Cedric は今日は出番がないので、歌わなくても良いのだけど、明日のために治しておかなくてはいけない。 そのあと私はちょっとアコーディオン弾いたのだけど、3 日間練習してないだけでつっかえまくる。

 Jim と Cedric が、今日からこっちに泊まるイリノイの人(Rob)と一緒に帰ってきた。 どんな人が来るんだろう?と思っていたら、春の Heritage Weekend に参加していた人だった。 イリノイから二人来る、という事だったんだけど、Rob の友人は来られなくなったらしい。 そうこうしていると Cedric がフィドルを弾きだした。 Jim がギター、Rob はマンドリンを弾いている。 ええぞ、ええぞ。

 そのあと Cedric が私のアコーディオン弾いてもいいか、と聞くので「勿論」と持って行く。 彼は耳で聞いただけで音が取れるようで、誰それはそんなに上手くなかったなぁ、とか、色んなアコ弾きの真似をし てくれる。 「ザディコって、こうやって単音で弾いてるの多いで」と言うので、「そりゃ Preston Frank!」と言うと、早速真似してくれた。 私は「がはははは」と笑って聞いていた。 Boozoo は「右見て、左見て、上見て、さあ行くぞ」と Boozoo のジェスチャー付きで弾いてくれた。 先日 Yoshitake さんと Boozoo のあの独特のノリについてメールで話したのだけど、Cedric ともその事について話す。
Cedric Watson Boozoo の真似その 1 Boozoo の真似その 2

 ザディコって、リズム感と体力があれば、余程の音痴でない限り、アコーディオンは弾けるよね?と話しながらも Cedric が「今日の僕のアコ、ひどいなあ」と言うので「私も。暑いからそのせいにしよう」と言う事になる。 勿論 Cedric 君のアコは、私の 100 倍は上手いのだが。

 Cedric のフィドルを弾かせて(というか触らせて)もらう。 右手の Bow は、手首をルースにする事、自由に動くようにと言われる。 フィドルを触ったのは初めてなんだけど、一応それらしい音は出るもんなんだ。 良い音が出るまでに相当かかるって訳なんだな。 前から一度触ってみたかったので、嬉しいぞ。 何年か後には、フィドルを買ってしうかも知れない・・・ような予感がした(笑)。
いやー楽しかった。

 お昼近くになったので、Downtown Alive の昼の部での Mouton Noir を見に行こうかどうしようか迷ったけど、暑いので躊躇する。 おまけに Yoshitake さんが何時に Lafayette に到着されるのか解らなかった。 とにかくお昼を食べたかったので、皆にどうするのか聞くと Christy もお腹が空いてるというので、 結局は行かないと言ってた人も含めて皆でご飯を食べに行く事になる。 Opelousas の 49 号線沿いにある Triple Crown に行った。

 ここは Grand Coteau にある、瀟洒なレストラン Catahoula と同じオーナーがやっているという。 私は白身魚のグリルを頼んだけど、あっさりしすぎていて物足りなかった。 もっとこってりした物を頼めば、美味しかったかも?

 皆でまた帰ってきて、Linda が今住んでいる離れに行って、ペンキを塗っている Jim の友人のおじさんに挨拶。 この黒人のおじさん、確か去年 11 月の Heritage Week の時に会った人と思う。 そこらへんで Yoshitake さんの泊まるホテルに電話してみると、 フロントのお姉ちゃんが「今、チェックインされました、待ってね」と繋いでくれた。 わあ、良かった。 Yoshitake さんも、まさに「こっちに電話しようと思っていたところ」らしかった。 しかし、疲れてるので、Downtown Alive の夜の部はパスされる様子。 Wranglers の Chris Ardoin にはご一緒しましょう、と言う事になる。

 午後 5 時頃、Downtown Alive に出かける前にのろのろしてたら、他の皆は出かけてしまっていた。 Lafayette に着いて、Grant Street の駐車場に車を停め、会場の Parc International まで歩いて行った。 遅れたと思ったのに、Balfa Toujours が始まるはずの時間に始まっていなかった。 Festivals Acadiens オフィシャル・オープニング・セレモニーである、恒例の Boudin Cut はもう済んだようなのに。 この時間においては、去年より観客が少ない。 ハリケーンを懸念して、州外から来なかった人が多いのだろうか?

 ステージを見ると、Christine Balfa と Dirk Powell、Kevin Wimmer 以下のレギュラーに加え、 Mitch Reed がベースを持っていて、隣に奥さんの Lisa がトライアングルを持って立っていた。 しばらくすると、演奏が始まった。

 しかし暑い。 ダンスするのも暑いけど、ステージは日が当たりまくっていて、ミュージシャンはもっと辛いだろうなあ。 知り合いが色々いたので、挨拶してまわる。 暑さにもめげず、Balfa Toujours は元気に演奏していた。 途中、Cedric がフィドルで飛び入りした。

 今日ここでの 2 バンド目、Rockin’ Dopsie Jr.はお父さんと一緒の時にしか聴いた事がない。 けど、ジュニアのソロの方はそれ程好みでないのは解ってるので、Yoshitake さんに電話して、ホテルの方にお邪魔する事にする。 麻里子さんが出てきて迎えてくれたので、アコーディオンを持って部屋に行く。 再開を喜びつつ、1 年ぶりだねー、早かったねえと話がはずむ。

 Yoshitake さんにアコを弾いてもらい、麻里子さんにはトライアングルのやり方を説明。 私も少しアコを弾く。 隣と下の人、うるさかったやろうなあ、ごめん。

 積もる話も尽きないけど、午後 9 時を過ぎたので、Yoshitake さんのレンタカーが私の車について、Chris Ardoin に向かう。

 「ついて行きます」と言われたので、ぶーーんと行ったのだけど、飛ばしすぎたかも、ごめん。 Carencro の Wrangler’s に着いて、「いやー、また来ましたねぇ」という Yoshitake さん達と 6 ドル払って中に入る。 (前回もここで、彼らと Chris を見た)

 Chris がサウンドチェックしていたが、手を上げて挨拶すると、Yoshitake さんにも気付いて笑ってくれる。 をを〜、Sean Ardoin がおる! Yoshitake さん達を見て、飛んできた。 「なんで今回メールしてくれんかった」とか言うてるぞー。 どうしてた?と聞くと「韓国焼き肉の後遺症で苦しんでいる」とジョークをかましていた。 Sean は先ごろ新譜が出ているので、「今持ってる?」というと車に取りに行った。 Yoshitake さんと一枚づつ買ってあげる。

 私は Sean とは前に話はした事があるけど、演奏はまだ見た事がない。 今日は単に遊びに来ただけみたいだったけど、飛び入りはするような事を言っていた。 しかし Sean、かなり太ったぞ。 ソロデビューCD の時は、ここまで太くなかった。

 今夜は Hamilton's で Keith Frank、Grant Street で Geno Delafose もあるので、Chris の方はすいているかも知れない、 と思ったら、午後 9 時半、演奏が始まった時点でお客はまばらという感じ。 ダンサーも少ないので可哀相だなあと思っていたら、だんだん人が増えだした。 一時間くらいすると結構入ってるじゃあないか、良かったね。 このあとどんどん人が増えて盛り上がって行った。

 Chris は先月もここで見たけど、やっぱりええ。 どんどん変わってる。 新譜からの曲は 8 割くらい演ったけど、彼も自分のオリジナルの方が受けるという好ましい受け方だった。 アコーディオンはケイジャン・アコ 3 台/Acadian(多分 A )と Bon Cajun (多分 C )新しいエメラルド・グリーンの Master( G )に、日本にも持って行っていた白い3ローの Dino Baffetti が一台。

 一緒のテーブルに座ってた Sean に「ダンスは上手いの?」と聞くと頷いていたので 「(Yoshitake さんの)彼女にダンス教えてくれる?」と頼んでみたら、頭振ってた(なんでやねん?!) そのあと、知らんおっさんが麻里子さんに踊ろう、と来てたので、行っといで〜と送り出したんだけど、 スケベなおっさんらしく、やたらひっついて来たらしい。 なら、というので、ちょうどやってきた常連ダンサー Warren にインストラクターを頼んだ。 一生懸命教えてくれていたようだ、ありがとう。


 私は Sean と 2 曲くらい踊ったけど、踊りやすいステップを踏む人で、とても楽しかった。 実は Yoshitake さん達は今夜、途中で抜けて Keith Frank に行こうとしてたのだけど、Chris が楽しいので、迷ってはった。 けど、じろうさんもあっちに行ってるしそろそろ行こうか、と言う時に、Sean がステージにあがりアコを弾き出したので、 こっちに居る事になった。 Chris はベースに回る(上手い)。 一つ前の CD から Kimo Sabe と、新譜から一曲を演奏。

 Sean のアコはオンタイムで、やはり Ardoin 家のアコやなーと思った。 Chris に比べても遜色がない、と言いたいところだが、こればかりはある(笑)。 Chris はダントツなので、仕方ないか。 それと Sean の声は Chris よりも伸びがあるので、Zyde「cool」よりも、 もっとホットに歌い込む感じの方が良いと思うんだけどなあ。

 Chris がアコーディオンに戻って何曲か演奏したあと「日本でザディコ演ってる奴がいるぞ」とかステージで言うてる。 Yoshitake さんを呼んだようなので「行っといで〜」と背中を押す。

 いや〜、ええんか、ええんか、本場で演奏してしまいましたよ、Yoshitake さん。 インストでちょっと短めの演奏、ナーヴァスになってると言う事でまあよしとしましょう。 お客には受けてたし。 Yoshitake さんが弾いたのは Chris の Acadian(多分 A )だったんだけど、空気漏れしてんじゃないかってくらい、 かなり激しく押し引きしないとだめだったらしい。 そりゃ、空気漏れしてんじゃあないでしょうか?

 遅くなってきたのに、ハコはどんどん混んできた。 Warren が挨拶してる兄ちゃんは、Huval 兄弟の Zac ではないか。( 8 月 6 日レポート参照) 弟で Steve Riley のベース弾きの Brazos も彼女たちも、皆来ていた。 そうか、La Pousiere での Steve Riley のギグが終わったんで、皆で来たんだなあ。

 Sean はドラムにも入ったのだけど、もっと重めかと思ったら、体重に反比例して意外に軽い。 Chris のバンドのドラマーはもっとどすどすした感じ。

 今日の Chris は、聴きたい曲も沢山聴けたし、Sean のおまけもついてたし、Yoshitake さんは飛び入りしたし、言う事なし、満足。 Wranglers は、普通午前 1 時半から DJ になるんだけど、この夜は Chris が 午前 2 時過ぎまで演ったあと、閉めにかかった。 お客が多かったら、DJ にはならないのか??

 近年のザディコはバスドラムとベースが要で、そうとう効かせている。 単に効かせているのでなく、建物が振動するまで目いっぱい効いている。 Yoshitake さんの Zydeco Kicks でもバスドラの中にマイクを入れよ、と命じている私なのだけど今回色々なザディコ・バンドを見て、 どういう風にマイクを設置しているかを研究する事になっていた。 Chris はどうしているのかと思ってドラム解体を待っていたら、マイクをごろん、とスタンドもつけずにそのまま中に入れている感じだった。 バスドラの中に布が見えたので、それで包んでいるかも知れないけど。

 クラブは閉めにかかっているので、女の子と話が途切れない Sean に挨拶して、Yoshitake さんが Zydeco Kicks の DVD をあげた。 片付けで外に出て行った Chris にも挨拶しに行ってきなはれ、と肩を押す。 Chris はバンドのヴァンの横で「また何処かで会おう」と言っていた。

 帰り道、高速までは一緒で、そのあと私は左(北)、あなたは右(南)だったのだが、高速に出るまでの Gloria Switch Rd. の曲がりくねった所で、曲がり損ねて思いっきり違う道に入ってしまう。 Yoshitake さん、びっくりさせてごめん。 そのあと、自信なさそうにゆっくり運転してはったので、大丈夫かな?と気になる。 Opelousas に帰ると、皆はもう寝静まっていた。



        


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