9/18 (Sat) atsuko レポート

 18日(土)


 朝起きてドアをばっと開けたら、Cedric が喉の為に紅茶を作っていた。 「どうやぁ?」と聞いたら、かなりましらしい。

 今日は Girard Park でのフェス一日目なんだけど、外に出ると暑いー! またまた Christy がベーコンとビスケットを作ってくれる。 ラジオでは KRVS 土曜の朝のザディコ番組がかかっている。 誰がかかってるのかすぐ分かる人たちと一緒に、ああやこうや話すのはとても楽しい。 そのあと、Cedric がフィドルを少し弾いた。


 午前 11 時過ぎに宿を出て車でも KRVS をかけたら、Festivals Acadiens の生中継になった。 T−Sale の演奏が始まったので聴きながら行く。 Lafayette で会場近くに着いたけど駐車スペースが空いていなかったので、2 ブロック程行った所に停める。 歩いていても暑い。

 会場の Girard Park には午前 11 時 45 分頃に着く。 メインステージの T-Sale には間に合って、4〜5 曲は聴けたたけど、木の影に入っていないと直射日光が辛いので、ちょこっと写真撮って避難する。 このフェス、ステージの脇に木があって有り難いのだけど今日は日陰でも汗が出る。 普通 Festivals Acadiens の時はもう少し涼しいぞ。


 Joe Hall & Mitch Reed の頃には、Yoshitake さん達も到着。 彼ら、早起きして Zydeco Breakfast には無事に行かれたそうで楽しかったみたいです。 なんと朝ご飯もそれ程待たずに食べられたとかで、ラッキーでしたね。

 Mitch のお父さんで本人もアコとフィドル弾きである Bob Reed が一番前に来て写真を撮っている。 幾つになっても子供は可愛いのだろうなあ。 Mitch は良いフィドラーだし、自慢してええです。


 Joe Hall はクレオールのアコーディオン弾きなのだが、Mitch と一枚共演 CD を出している。 そのあと、Joe が引っ込み、Charivari の残りのメンバーが出てきてバンドの演奏が始まる。 好きなバンドなので見ていたかったけど、テントの方で Dexter Ardoin が始まっているので、 テントに向かう。 途中のセッション・テントでは Lil Pop がセッションのホストをしていた。ラブボードを演っているのは、Zydeco Joe じゃあないか。


 Dexter の始まっているテントは例年に増して埃が凄い。 これはかなわん。 もくもくとアコを弾く Dexter に対し、フィドラーの Cedric はショウマンで、見ているこっちも楽しい。 結構男前でもあるのでモテそうだ。 バンドのドラマーは木曜とは違う人だった。


 Dexter のあと、Lost Bayou Ramblers をちょこっと見てから Festival Stage に戻って Walter Mouton を見に行く。


Lost Bayou Ramblers

 フィドルは(私が勝手にアコーディオンの師匠にしている Jimmy Breaux の義父)U.J.Meaux なんだが、音ががたがたしている。 ああ・・・お年でもう弾けないの??と心配していたら、器材の方のトラブルだったようだ。 U.J.さん、すみません。 ペダル・スティールが春に見た時と同じ、アコーディオン・ビルダーでもある Jr.Martin のようなので、 Yoshitake さんに教えてあげる。 去年 Martin の工房に行った Yoshitake さんだが、Jr.Martin は覚えていたようで、 おお、という感じだった。 しかし、ペダルスティールの音、大きすぎ。


Walter Mouton

 そのあと、Yoshitake さんと私、共通のアコーディオン・ビルダーである Larry Miller ブースに行く為、皆でクラフトエリアに向かう。

 いつもの如く、にこにこ迎えてくれる Larry さん。 ブースでは、赤いアコーディオンが回っていた。 早々試し弾きする Yoshitake さん。 左利き用の、つまりメロディ・ボタンが左手側についたのがあったのだが「リード入ってませんよ」と。 そうか、一応外側を作っておいて、キーだけ決められるようにしてあるんだな。 壁の薄い家に住んでいる人には、運指練習用に良いのではないか?


 D のキーのアコーディオンが欲しいので、Larry さんに色の相談をする。 エメラルド・グリーンもターコイズ・ブルーも出来るそうです。 色は持ち込んでもやってくれると。 水ベースか、アルコール・ベースのペイントなら良いとの事。


 ブースに自分で作ったというアコーディオンを持ってきた黒人のおじさん、Ed Poullard だった。 確かフィドル弾きだったと思うんだけど、アコーディオンも弾くんだったか? 黒いマットな塗りのアコーディオンで、Larry さんは音を確認したあと、ネジを開けて中を見ていた。

※写真一番左がEd Poullard 氏

 ブースに長居してしまい、気がついた時には Kevin Naquin を見損ねてしまったぁー。 その上そろそろ Lil Pop の始まる時間なので、皆でテントに向かう。 今日の Lil Pop は、ベースとドラム、メンバーがまた違う。 ベースは Yoshitake さんによると、去年 Lil Nathan で弾いてた人じゃないか、と。


 このあたりで最近の運動不足がたたって、非常に疲れてしまった私。 おまけにこの暑さと埃。 メインステージの埃はいつも凄いのだけど、テントの方も今年は凄い。 ってんで、ひとりでとことこセッション・テントに避難して、Steve Riley と Belton Richard のワークショップを座りながら見る(というか良く見えないので聞く)。 じろうさんによると、Steve Riley は Mark Savoy よりもこの Belton Richard からの方が影響を受けているのではないか?と。 そうですね、確かに Mark Savoy はスワンプ・ポップ演らんもんね。 Belton はとても良い声の持ち主で、最近はスワンプ・ポップに食傷の私でも、聴いてて良いと思った。 Steve Riley の声はちょっと無機質なんで、やっぱも一つやったが(笑)。 回りに Jim & Christy をはじめ色んな人もいたので、靴を脱いで足マッサージなどしつつ、相当和んで話す。

 テントの方に戻り、Lil Pop の最後の方を見る。こっちにも Zydeco Joe が飛び入りしていた。 Lil Pop の後、ケイジャン・ジプシー・スイング・バンドという触れ込みの Red Stick Ramblers が用意しているが、私は Yoshitake さんやじろうさんとトイレの横で話す。 Kevin Wimmar がメンバーと同じようにシャツにネクタイ締めてるので、臨時メンバーかと思ったのだだ、じろう さんから Red Stick Ramblers はメンバーががらっと変わってしまったという情報。 Joel Savoy も抜けたとか。 そうか、どんな感じになったのかな?と興味はあったのだけど、スイング系はまあまあの私、お昼ご飯も食べ損ねているので 何か食べに行こうと言う事になる。

 土曜の夜にダウンタウンで開いている所で、手ごろな所・・・とじろうさんと色々相談した。 Country Cuisine に行きたかったのだけど、土曜は 5 時で閉まるらしい。 ここからすぐ近くの Hub City Diners が良いのではないか、とじろうさん。 前はいつも通るのだが、入った事がないので丁度良かった。

 じろうさんは自転車、私は Yoshitake さんの Boozoo 2 号に乗り、ほんの数分で着く。 Hub City DIner、中は本当に 50 年代とか 60 年代のダイナー。 今日のスペシャルはポークチップで、じろうさんと麻里子さんはそれを注文。 Yoshitake さんは、味の濃いというハンバーガー。 私はエトゥフェーの上にキャットフィッシュのグリルが乗ったやつとサラダで美味しかった。 ポークは食べない私だけど、野暮な事は言わずにポークチップの味見だけさせてもらったらスパイスが効いていて おいしかった。 ポークとそのグレイヴィーがかかったご飯、ブラックアイド・ピー、野菜の煮付けと大皿に山盛り。 こんなのを「残さず全部食べなさい!」としていると、Sean Ardoin 体型まっしぐらである。 それだけ食べて、皆で 26 ドルちょっとだった。

 このレストランの入り口を入った所に飾ってあるでっかいペリカンがエルビスの顔で、その名も「Pelvis」。 駄洒落やあ、と腰が砕けて誰も写真を撮らなかった。(と思う)

 それからじろうさんは家に帰る。 私はここから Opelousas に帰るのも面倒くさいので、Yoshitake さんのホテルでお風呂を借りる。 (銭湯ないもんなあ) この夜は、Yoshitake さん達は Hamilton’s で Geno Delafose のあと、Grant Street の Steve Riley + Keith Frank の Kieth だけハシゴ。 私は今夜 Geno を見ておかないと今回見られないので迷ったけど、Hamilton’s は遠いし、Steve Riley も明日のフェスでは見られないと思うので Grant Street だけにする。 後でまた会いましょう、と午後 9 時半頃出かける。

 Grant Street に着いて、15ドル(高いぞ)を払って入る。 開演を待っていると、Steve Riley のフィドラー David Greely がうろうろしてて、挨拶しに来てくれた。 「明日のフェス、テントの方の Varise Conner の CD 発売記念には来てね」と。 David 自身はその CD に入ってる訳ではないのだけど、Varise Conner はもう亡くなってて演奏できないので彼が演奏するという感じみたいです。

 Steve Riley はいつもの如く・・・・右端で飄々とギターを弾く Sam Broussard もいつもの如く・・・だったのだが、半ばで突然音が消えた。 何や何やと言うてると、ホールの人が何か言っている。 どうも建物の外のトランスフォーマーが破裂したらしい。 しゃあないので、待つ。

 楽屋の入り口近くに出番を待つ Keith Frank がいたので、手を振って挨拶したら、こっちにやってきた。 でっかい PA が置いてあったので聞いてみたら「これ、僕の」と。 Kieth をここで見るのは始めてなんだけど、Grant Street でこんなに PA が置いて有るのは見た事がない。 そうしてるとまたホールの人が出てきて「15 分で修理が来る」とアナウンスしているが、 ルイジアナでそんなに早く来るかいっ!と思う。

 Steve Riley はアンプラグドで演奏を再開した。 ベースの Brazos はフィドルに持ち替え、ドラマーの Kevin はトライアングル、Sam はアコギ。 最後の方で遊びに来ていた T-Sale のアコ、Jean Jaque Aucoin が飛び入りでアコを弾いた。



(Jean Jaque Aucoin が飛び入り)

 なんとなく用意が済んで、Keith Frank が演奏を始めたので、一安心。 ああ、ええ感じと思っていたのに、一曲演ったところでまた、係りの人が止めに来た・・・と思ったら次の瞬間、 ステージの照明も、バーの灯りも、非常灯さえ全部消えて真っ暗になってしまった。 ライターの灯りとかで、かろうじて見えるくらい。 Keith は懐中電灯を持ってきて遊んでた。

 勿論エアコンも扇風機も止まったので、人いきれで暑くなってきた。 こんな真っ暗な所で何か起こったらどうするんじゃあーと思ったし、Yoshitake さん達が外に来ているかも知れないので出てみるが見つからなかった。 階段のところに知り合いがいたので座って話す。 「今夜修理するのは無理と違うか?」と。

 Hamilton’s で Geno に行っていた Warren が来た。 あっちで Yoshitake さん達に会ったという。 私は、どのみち修理して再開できたとしても遅くなるし、昼間の埃で喉の調子がかなり悪くなってきたし、 Opelousas まで運転して帰らないといかんし、午前 12 時半頃に諦めて帰る事にする。 Warren は Hamilton’s に戻るというので、Yositake さん見たら、こっちに来ないように言っておいてね、と託ける。 Grant Street の建物の外では、梯子車が来てちゃんと修理していたので「をを、ホンマに修理が来てる、奇跡」と思う。




        


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