9/3 (Sat)

ZYDECO BREAK FIRST at The Opelousas Courthouse Square
AM 8:00 スタート
ノー・チャージ

 昨年は Breaux Bridge の Cafe Des Amis で行われる ZYDECO BREAK FIRST へ行ったが、 今年は旅程前半は Opelousas に宿を取ったのでこちらの BREAK FIRST に行ってみた。
※Cafe Des Amis のように毎週は行われていない。何かイベントのある時期のみ行われるようだ。

 場所は裁判所の中庭のような所で行われた。 ブダーン(肉とご飯の腸詰)とコーラを片手に。 カウンター・スタッフには昨夜も会った Slim's Y-kiki のお姉ちゃん達。

【Terry & the Bad Boys】


何年か前に出た CD の印象とさほど変わらずの元気な演奏。 レパートリーのトラッド:オリジナル比は7:3ぐらい。 Rub Board の少年の笑顔が印象に残った。

【DANCING ZYDECO JOE】


写真左:Rub Boardを演奏しているZYDECO JOEじいちゃん。
写真右:ZYDECO JOEじいちゃんの愛車のナンバープレート

ザディコ・ダンサーとして地元でも有名なおじいちゃん。 見ているだけで楽しくなるような愛嬌のあるダンスを披露してくれる。 本日は Rub Board の演奏もご披露。
※ミュージシャンの「ZYDECO JOE」とは別人。


ORIGINAL ZYDECO FESTIVAL
Zydeco Park - Plaisance, LA
OPEN 11:30 A.M START NOON
チャージは$10.00

 Opelousasから北西へ車で約20分ぐらいの Plaisance で行われる。 「ZYDECO ROAD」という道をガンガン突き進むと、砂けむりの奥に会場が現れる。


大きなメインステージでは一日中 ZYDECO BAND、小さいテントではクレオール文化から アコーディオンについて等々、色々なインストラクターによるワークショップが行われる。 入り口からメインステージまでの間には沢山のクレオール・フードやビール、 アクセサリーなどの売店が立ち並ぶ。

 とにかく暑い。日差しが肌に痛い。もし、ルイジナ特有の湿気が無かったら全ての物が気化しちゃいそうだ。


※この ZYDECO FESTIVAL に関してはブルース&ソウル・レコーズ第66号に、はたのじろうさんの詳しいレポートが載っています。 興味のある方はそちらも是非どうぞ。

【Same Ole' 2 Step】



最近の若手の中では一番活発に活動しているバンドのようだ。 若い割にはトラディショナルな曲を得意としているが、本人達は気付いていないのかもしれないが演奏やアレンジには 最近のザディコっぽさが如実に出ていると思う。そこが面白いように思う。
フェスティバルが始まった直後の強い日差しの中、ステージからだいぶ離れた所にテントが幾つかあるんだが、 お客はみんなのその日陰から出て来ようとしない。 なかなか勢いのある演奏だったのにステージ前がガラガラで本人達もやり辛そう。ちょっとかわいそうだったなあ。




【Nathan Williams Jr.】




もう「中堅」になるのかな?過去に来日した Nathan Williams の息子。 この人はケイジャン・アコーディオン、3ローアコーディオン、鍵盤アコーディオンを使い分け、 色んなタイプのザディコを演奏してくれる。ダンスが出来なくても見てるだけで楽しめるザディコと言ってもよいだろうか? 日本ではこのあたりのミュージシャンがウケるのではないかとも思ったりする。
過去に一枚アルバムを出している。そろそろ二枚目出してくれないかな。きっといいアルバムが出来上がると思う。


Rab Board のお子ちゃまはドラムも叩く。背が小さすぎて客席からは音はすれども姿は見えずってとこがまたカワイイ。 右の写真は拡大:タムの上からスティックが見えているのが判るだろうか?


【Goldman Thibodeaux】


この人の音は以前からCDで聴いていた。気持ちいいんですよ。とても見たかった人の一人。 この日は急遽出演決定という感じでWebサイトなどに発表は間に合わなかったんじゃないかな?
やはりこの人の歌声はいい。
南西ルイジアナの灼熱の昼間、車で走っている時の BGM にするとサイコーです。
ギター、アコーディオン、フィドル、トライアングルという構成かな?と思ってたのだが、 ドラム、ベース、ラブボード( DANCING ZYDECO JOE )も居た。
ちょっと残念だったのは乱暴な意見かもしれないが、ドラム、ベースは必要無いんじゃないか?と思ってしまった。 この人達のような昔ながらのクレオール・ケイジャン・スタイルの音は ギター・フィドル・アコーディオンのみでの独特なリズムのウネリが気持ちいい。 わざわざリズム隊を入れる必要が無いように思う。 かえってリズム隊が入ると本来の味というか躍動感が判り辛く感じてしまったのが残念に思った。


【Curley Taylor & Chris Ardoin アコーディオン・ワークショップ】



メインステージから少し離れたところにあるテントではワークショップ等が行われている。 この時間は Curley Taylor & Chris Ardoin によるアコーディオンについてのワークショップ。 題材は鍵盤アコーディオンとボタン・コーディオンの違いや特徴といったところだろうか。 二人での合奏も行ってくれた。
困るんだよね〜、メインステージに夢中になっている間にひっそりとそんな面白い事やられてると。

【Curley Taylor & Zydeco Trouble】



この人は昨年 CD デビューした鍵盤アコーディオンの新星だ。 ザディコ・ミュージシャンには珍しく?スリムな二枚目だ(笑) レパートリーとしては、もちろん沢山のトラッドな曲も演奏するが、オリジナル曲も多く、それが凄く良い。 ZYDECO への、R&B や SOUL の盛り込み方・バランスの取り方がズバ抜けている人だと思う。 最近では珍しく、メンバーにはキーボードも居る。 前回のアルバムのタイトル曲「Country Boy」では、ハイハイ、みんなラインダンス!
今後の活動も期待大。いや、ルイジアナからも飛び出してきますよ。きっと。





【Chris Ardoin & NuStep】



昨晩、Slims Y-Kiki で遊んでくれたクリス君。地元の新聞でのこのザディコ・フェスの広告の一面がクリス君の写真だった。 人気あるんだなあ。このまま突っ走ってちょうだい。

途中、ステージ前にてダンス・コンテストが行われた。最初は目ぼしいカップルを数組選び、徐々に減らし、最後に決勝戦を行う。


写真左:決勝に選ばれた二組 写真右:その二人を囲んで応援する人達

最後の方に二年前来日したハロルド君が Rub Board で加わる。 あいかわらずお喋り&掛け声好きで、クリス君はちょっと照れていたようだ(笑)
ステージ始まる前にハロルド君は僕等のことを覚えていてくれたらしく、あっちから気付いてくれたが、ちょっとビックリしてたようだ。 きっと「こんなローカルなところまで!」と不思議だったんだろう。


最初はダンスに汗を流していたハロルド君も最後にはステージに。

【J-Paul & The Zydeco Nubreedz】



ザディコのライブでは見たことの無い光景を見た!
人気のあり方が明らかに今までのザディコの世界とは違う。 なんと言うか「ロック・スター」的な人気なのだ。 ティーンエイジャーの女の子達の「じぇい・ぽ〜!きゃぁぁ〜ぁ」という黄色い声が飛び交う。 もちろん、会場にはペア・ダンスを楽しむ人達が居るが、 ステージ前に押し寄せる女の子達はみんな J-Paul に向かって飛び跳ねてる。 いやぁ〜、驚いた。ザディコ界にこんな盛り上がりがあるなんて、面白い!
Rub Board には昨年まで Chris Ardoin & NuStep に居た人が加入していた。



帰国後、買ってきた新譜を聴いたところ、あの人気がなんとなく理解出来た。 何よりもボーカルが味わい深いじゃないですか!一聴するとなんとも微妙なボーカルラインだが、 聴く度に琴線に触れてくる感じがする。 ライブで見た印象より CD の方が全体的にゆったりとした深いものを感じた。


【Step Rideau & The Zydeco Outlaws】



この人達ってほんとに演奏というかアレンジが上手い。いかしてます。 楽曲のコード進行やメロディーについてはとくに凝ったことしてないのに聴いてる(踊っている)人を 退屈させないのは、小節数、アクセント、拍の数え方、などがとても工夫されている。 如実に判るのは、ドラムスと掛け声の絡み具合。 ドラムスのフィルインを徐々に溜めて溜めて高めていって小節区切りもひっくり返って 戻ってきたところでバチコン!、、、というかなり稚拙な説明しか出来ないんだけど(笑)
よく現在のザディコが語られる時に南西ルイジアナのザディコと区別する為に 「ヒューストン系」というくくり言葉が使われるけど、この人はそんな垣根を取っ払ってくれる人だ。
このザディコ・フェスティバルの大トリということもあり、会場の盛上りも最高潮だった。


右上写真の赤いTシャツの人は、この ZYDECO FESTIVAL 企画者の Paul Scott 氏


 ああ、終わっちゃった。夜 10 時。あたりは真っ暗。この会場のまわりに明かりは無い。 自分の車の前を走る車のテールランプを頼りにして帰る。途中、Slim's Y-kiki の前を通ったら 100mぐらいの長さに路駐車が連なっている。そうか、今夜は Keith Frank か! きっとフェスティバル帰りの人達も押しかけているんだろう。 しかし、疲れた。一日中のフェスティバル観戦はさすがに堪える 。Keith は明日の Richard's に見に行く予定なので今夜はやめとく。 外にまでドカドカと漏れてくる音を聴きながら通り過ぎる。