−三日目− ALVIN "RED" TYLER


 現地日時 1997.11.8(土) 晴れ am11:00起床

  店名は忘れたがポ・ボーイ(バケット パンのサンドウィッチ)専門の店で朝昼食。僕はジャンボ・ハンバーガーとビール。 福田氏はクロウフィッシュ・ポ・ボーイ(ザリガニのフライのサンドウィッチ)とコーラ。 今回の旅行で楽しみにしていたザリガニはオフ・シーズンらしく、どの店でも今はあ まり出している所は少ない。かろうじて出てきたモノも非常に小さく(1〜2cm)、ほと んどフライの衣の味ばかりした。そのかわり今はカキがシーズンだ。もちろん此処で も生ガキを注文した。やはり旨い旨い。

 ミシシッピ川沿いのフレンチ・マーケットの近くにある「カルディ」というコーヒー 屋に入る。ガイドブック等にもニューオリンズはアメリカで一番コーヒーが旨いと書 いてあったので期待していた。福田氏は将来、コーヒー屋を経営したいそうだ。僕は モカコーヒー、福田氏はちょっと変わり種のオレンジ入りコーヒーを注文した。出て きた瞬間に「え?」という嫌な予感がした。紙コップなのだ。おそるおそる口にして みたが予感的中。不味い。甘すぎる。こりゃ発展途上国のコーヒーだよ。この店の店 内には、いろんなコーヒー豆やアンティーク器具の展示がしてあったのが、、、。

 昨日観たエディ・ボが同じ場所時間でやるので今日も観に行く事にする。今日は土 曜日なので客も多い。ステージの内容は昨日と殆ど同じ。しかし、昨日の様に”MESSAROUND” と”BIG CHIEF”は演奏してくれなかった。やはりリクエストをしなきゃダメか。 とは言っても僕等に気の効いた英語でしかも大声でリクエストが出来るはずもなく悔 しい。そのかわり演奏中の写真は数枚撮らせてもらった。簡単なレンズ付きフィルム (あのカメラは正式にはそう言うらしい)を持ってはいたが、演奏中にフラッシュを 焚くのは失礼かと思い今迄は控えめにしていた。しかし エディ・ボは温厚そうな人だ ったので他の客に便乗して撮らせてもらった。

margaritaville1 margaritaville2

 ガンボばかり食っていたので今日の夕食はアメリカらしくビーフステーキにしよう と決めた。しかし、これがまた一苦労した。アメリカだというのにビーフステーキを 出している店は少ない。とりあえずメニューの片隅にビーフステーキと書かれている レストランに入った。焼き方は僕はミディアム、福田氏はレアー。出てきましたよ、 これぞアメリカのステーキというモノが。固くてでかい。

 アップタウン方面にある「ミッドシティ・レーン・ロックン・ボウル」というボーリン グ場にタクシーで向かう。ボーリングをしながらライブ演奏を楽しめるといったホー ル。チャージは$10。もちろん、ライブを観るだけでもよし。今日は此処でロッキン・ デュプシー・ジュニア(Vo.)を観る。
CLIFTON CHENIER
ZYDECOの雄
CLIFTON CHENIER

(すみません、ロッキン・デュプシー・ジュニアの写真は上手く撮れてなかったです)
ジャンルは「ザディコ(ZYDECO)」と呼ばれるものだ。 主楽器はアコーディオンだがけっしてポルカではなく、曲調がブルース〜ファンクと でも言えばいいかな? 似たようなジャンルで「ケイジャン(Cajun)」と呼ばれるモノ があるが、これは同じようにアコーディオンをメインとしているが曲調はカントリー であり白人が始めたのではないだろうか? 予定では pm10:00スタートだったが、あ まり面白くないバンドが前座として一時間ぐらい演奏した為、ロッキン・デュプシー・ ジュニアは pm11:20頃スタート。細身の黒人男で、めずらしく長髪だ。ちょっとセク シーさを売りにしてる感じ。始めの二曲はアコーディオンが出て来なかったので僕等 はコイツは間違えたか?と思ったのだが、三曲目よりアコーディオンが登場し、本人 もラブボード(洗濯板のようなモノで「ジーコ、ジーコ」と表面をこすって音を出す。 ギロに近い)を構えた。音圧が凄い。アコーディオンとはいえ殆どラッパに近い迫力 がある。猛烈。客も踊り暴れまくる。僕等はステージ脇に退避した。これが結構、近 距離で特等席だ。ラブボードの奏法は「カッカッ」と細かく刻む音と「ジーコ」とロ ングトーンの組み合わせでかなりいろんな表現が出来るのが判った。福田氏は日本に も売ってたら買おうと思ってる。そうこうしているうちに午前零時を過ぎてしまった。
crescent2
ALVIN”RED”TYLER
今日はこの後に伝説のサックスプレイヤーのアルビン・レッド・タイラー を観に行く予定なのだ。スタート時刻が”Midnight”と書かれていたのでそろそろ向かわないとマズ イ。もうちょっと観たいと思いつつ、この場所を立つ事にした。(前座のバンドが無 けりゃ良かったのに)

 向かうのは「ファンキー・バット」という僕等のホテルに近い店だ。ちょうどバスが 来たので運転手の黒人女性に「カナル・ストリートに行くか?」と聞いたら、「あと 6分後にまた来るから此処で待ってろ」と言うような事を言われたので待つことにし た。目の前をタクシーがたまに通るが「6分後に」という正確そうな言葉を信じてバ スを待った。しかし15分経ってもまったく来る気配が無いので折角だがタクシーに する。あれは「6分後に」ではなく「60分後に」だったのかなぁ。

 店に着いた。でも、ライブをやっている気配が無い。店内には白人の若者達がソフ ァーでくつろいでいて、DJは何故かマンボをかけまくっている。これはどういう事 かと思い、福田氏が受付らしきダレた若者に声を掛けてみたが「あんた何言ってるか 判らないよ、此処はライブじゃなくてDJだけだよ」と冷たくあしらわれる。いくら アルビン・レッド・タイラーとハッキリ発音しても知らないらしい。そんな〜、できれ ば最後まで観たかったロッキン・デュプシー・ジュニアのライブを泣く泣く切り上げて 駆けつけたのにどういう事だぁ?! これ以上言ってもダメそうなので仕方なく店を でた。しかし、店の告知板にも「ALVIN”RED”TYLER」と ハッキリ書いてあるじゃない か。でも、店内にはマンボが流れている。判らん、さっぱり判らん。人通りの無い暗 い道で途方に暮れるジャパニーズが二人、、、。どうでもいいけど、若者の間ではマ ンボなんかが流行っているのか?

 気を紛らわすためにもメシを食いにバーボンストリートへ向かう。しかし午前一 時半をまわったところ、ちゃんとしたメシが食える店はどこも閉まっている。他は飲 み屋ばっかりだ。仕方ないので ピザ・ハットでテイクアウトしたのだが、そこはただ のスタンドなので運ぶ容器がないらしい。二人で紙皿にのせたピザをホテルまで手で 運んだ。

 就寝:午前3時頃

 今日は全体的にやや調子悪し。

 ああ、やっぱし伝説のサックスプレイヤー、アルビン・レッド・タイラーの音は生で 聴いてみたかったなぁ。


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