Festival International de Louisianne
(at DownTown Lafayette 2004/4/23 - )


 4 月 23 日 (金)

 今日はまずチェックアウトの後、Lafayette から車で 20 分くらい北にある Opelousas まで行って、 今日からお世話になる Jim & Christy のお家に荷物を置きに行かなくてはいけない。 フェスティバルは今日から全ステージで開催だけど、午後 6 時からなので、また夕方 Lafayette に帰って来る。

 朝 11 時頃お家に電話すると、皆で朝ご飯を作って食べている所で、お昼過ぎに出るとの事なので急いで Opelousas へ向かう。 4 年ほど前に一度来たっきりだったけど、地図を見ながら行くと迷う事もなく着く。 2 エーカー半の敷地に母屋と納屋がいくつかある、なかなか素敵な所である。 一週間前には、ここでプライヴェート・パーティーがあって、 Keith & Preston Frank も演奏した。

 お家に着くと、Jim が外に居て、出迎えてくれた。 Jim & Christy はベイエリアとルイジアナの両方に家があるんだけど、今回、他にもベイエリアから何人か来て いるらしい。 中に入ると Christy は勿論、ベイエリアから、フィドラーの Agi と婚約者の Bruce、Agi の仕事仲間の Katie、ベイエリアからこっちに移ってきて現在は Jim の敷地にあるお家に間借りしている Linda がいた。 Agi と Bruce はケイジャン・アコも修行中で、二人とも Marc Savoy の Acadian を持っていた。 Linda は Jim & Christy と共に 3 週間前の Heritage Weekend にもフィドルを習いに来ていたし、 ここに居る人全部、今までどれかの Heritage Week Camp に参加している。

 Agi は今回、D.L.Menard のステージにフィドルで参加するらしい。 本業はカイロプラクターなんだけど、フィドル暦は長くて南西ルイジアナにも相当な回数来ている。

 お昼過ぎ、これまた先日の Heritage Weekend に来ていた人が奥さんと遊びに来た。 アコーディオンのクラスで何回か一緒になった人で、Mark と言って、カリフォルニア組みの一人だった。 Heritage Weekend では忙しくて話す暇もなかったが、一通り、アコーディオンの情報を交換したりした。

 Agi 以下 3 人はイベントに出る為、早めに Lafayette に行ったようだけど、 1 時過ぎ、残りの皆でお昼ご飯を食べに行こう、と言う事になる。 Opelousas の Roy’s という 18 号沿いのコンビニの横にある、とてもローカルなレストランに 5 人で行く。 皆、茹でザリガニが食べたかったのに、5 時からしか出さないというので、他の物を注文するためメニューとにらめっこ。 私は Stuffed Bell Pepper とシーフード・ガンボ。 ウエイトレスが要領得なくて何回か聞き直しに来るし、私のサラダは最後に「他に何かご用は?」と聞きに来てやっと来た。

 ガンボは、南西ルイジアナのガンボである。 New Orleans のガンボとは違う。 初めて Lafayette でこれを見た時、さらさらなので「お味噌汁やんか??」と思ったけど、 食べるとコクがあって、とても美味しい。 今ではネバネバ・ガンボは好きでなくなったくらい。

 南西ルイジアナのレストランは、地元のリピーター相手なので、それ程当たりはずれがないと思う。 そんな中ではアベレージの店で美味しかったけど、お勘定は間違うは、注文したのは来ないは、 で、ちょっとあかんぞ。 ウエイトレスが悪かっただけやと思うけど、あの子、変えなはれ。 それに引き換え、皆との会話はとても面白かったけど。

 その後、皆はそれぞれ用事に行って、私はお家に戻り、夕方のフェスに備える。 Lafayette の行き道にある Louisiana Heritage and Gift Shop(Charivari のフィドラー、 Mitch Reed のお店)に寄りたかったんだけど、用意に手間取っていると午後 5 時近くなって、多分閉まる時間なので諦める。 Mitich は今日、フェスの方にも出るので、その時挨拶しておこう。


 今日は会場に近いところに車を停めようと早めに出て、5 時半ごろに Lafayette に着く。 ダウンタウン内、Lee Avenue の近くに停める事が出来た。 6時からの Scene Heritage である Hadley Castille を見に行く。 他のステージは全部、観客は屋根無しなんだけど、ここだけ観客もテントで覆われていて椅子もあり。

 ステージの上には既に Hadley、Blake Castille の親子がスタンバイしている。 Blake 氏に手を振って挨拶。

 早々、Paul Scott に会う。 このところ 3 週間おきに会っているな。 彼はフェスのブッキングもやっていて、このテントの面倒を色々見ているらしい。 じろうさんにも会えた。( 3 週間前は結局会えなかったのだー) 他にも、Lousiana Folk Roots の人たち、3 週間前に会った人に色々会った。


 Paul、じろうさんと 3 人で馬鹿話が盛り上がる。 Paul は本当に愉快な人で、いっつも「うひゃひゃひゃひゃ」と笑ってる。 その上、とても働き者である。 レギュラーの仕事がちゃんとある上に、Zydeco Festival のオルガナイザー、Festival International のブッキングと世話、 最近は Curley Taylor のマネージャーもどきもやっているという、超多忙な人。
 午後 6 時になって、ステージが始まる。 Hadley Castille はバンドとばかり思っていたのだが、彼のフィドルとギターの Blake と二人だけで演奏、 その合間、Herman が色々インタビューするというワークショップの形で進行して行った。 Hadley のお孫さん(可愛い女性)が途中、フィドルと歌で参加していた。 昔のケイジャンの人達の生活など色々興味深い話だったんだけど、同じ時間に Steve Riley が別のステージで演るので、 2 ブロック半程歩いてそちらに移動。
Hadley Castille


Steve Riley & The Mamou Playboys

 既に Steve Riley が演奏中の Scene Lafayette は、裁判所の前の広場にしつらえてあった。 ステージはそれ程大きくないし、半分が芝生で、ダンスはコンクリートの上で、と良い感じ。 直射日光の時間でなければ此処が一番良いかな? しかし、音はあまり良くない。 ベースなんか、歪んでたぞー。 すっかり名物ギタリストになった(?)Sam Broussard の2曲を聴き、Steve Riley お馴染みのスワンプ・ポップとか ロックになったところで、元のテントに戻る。


David Greely

Steve Riley

Sam Broussard

 Heritage Weekend の時に Mitch Reed に聞いた Celjun という Celtic + Cajun のバンドを見たかったのだ。 これは名前の通り、アイリッシュにケイジャンが混じった音で、意外に合っていた。 というか、もともと南西ルイジアナにはアイルランド系も多いし、ケイジャン音楽にはアイリッシュの影響も大きいので当たり前か? (Mitch Reed もアイルランド系だというし、Steve Riley の名字もそう)

 リーダーの Tony Davoren がブズーキ、Mitch Reed がフィドル、 もう一人女の人がフィドル、パーカッションのお兄さん(アイリッシュのヘッドだけのドラム、名前失念。誰か教えて)と、 Linda Hendersman が色々持ち替えてコンサティーナなども弾く。 後半、昨日の夜見た Dirk Powell と Tim O'Biren のお二人もバンジョーとマンドリンで飛び入り。

 Celjun の中心人物 Tony Davoren はリヴァー・ダンスのミュージシャンとしてアイルランドから合衆国に来て、 ルイジアナに住み着いた人らしい。 去年の Festival Acadiens の頃から良くあちこちで見る。 Steve Riley の雰囲気に似ていて、兄弟と言っても通じそう。 奥さんがリヴァー・ダンスのダンサーでインストラクターをしている。 ステージの最後の方で、小さい女の子から大人まで、女性ばかり何組かのリヴァー・ダンスがあったけど、これも楽 しくて良かった。

(*Celjun の写真はまたまたシャッタースピードのボタンの不具合で撮り損ねました、ごめん)

 この後、同じ Scene Heritage で、Houston 近郊出身、テキサス・ザディコの Lil Brian。 ステージの上にはラブボードが二人スタンバイしている。 疲れて来て甘い物が欲しくなったので、隣のコーヒー・ショップにアイスコーヒー買いに行ったら、テントの方から は派手な音が聞こえてきた。 けど、なんとなく戻るのが面倒になった。 Lil Brian は前に何回か見てるけど、それ程好みのタイプでないし、最近 Bluerunners を見てないので、 Bluemoon Saloon に行く事にする。 車は会場と Bluemoon の真ん中くらいに停めてあるし、Bluemoon の周辺も混んでるだろうから歩いて行った。

 どこかに午後 9 時からと書いてあったのだけど、入り口に行くとアコギの弾き語りが聞こえてきた。 チャージ払いながら「これ、Bluerunners ですか?」と聞くと、そうだと。 「わー、新譜はアコースティックかぁ」と思って中に入るとメンバー全員座って待ってるやんか。 演奏してるのは、知らん兄ちゃん・・・どうりで声が違うと思った(笑)。

 Adrian Huval(アコーディオン)に挨拶して少し話していると・・・びっくり顔を作ってこっち見てる人が・・・
をを、先日 Whiskey River で Steve Riley のベースと間違えたお兄さんやないか、ははは。
4 月 4 日レポート参照、彼は Ardian とは従兄弟)
 そうこうしてると、Steve Riley のステージが片付いた Brazos Huval 君もやって来た。 他の兄弟も来ていて、Huval だらけである。 3 週間前に間違えた兄は Zac(多分 Zachary)と言うそうだ。 Zac は Brazos を引き寄せて「二人の写真撮っとき、そうしたらもう間違えへんやろ」と。 Zac はアコーディオン弾きなんだけどお父さんのバンド(Huval Family Band)では演っていないそう。 (お父さんがバンドのアコ弾き) この他、Al Berard の娘さんにも声をかけられる。 やっぱり Bluerunners みたいな若手(はちょっと苦しいか?)バンドには若い子が多く見に来るのね。
Huval Brothers(左 Zac、右 Brazos

 リーダーの Mark Meaux が座ってたので、新譜について色々聞いた。 前作 Le Gran Bleu の延長線にあるけど、もう少しブルージーな感じらしい。 春のフェスティバル・シーズンに間に合わなかったのね。

 Bluerunners はケイジャン・チューンで演奏開始。 Mark はフィドルを弾いている。 まだフェスをやっている時間なので、去年の 9 月に中林さん達と来た時みたいに混んでいないし、良い感じ。 その去年の 9 月、Festivals Acadiens のオープニングで振り回されたコロラドのおじいさんも来ている。


Bluerunners

Courtney Granger(黄色いシャツ)

 そうこうしているうちに、Balfa Toujours のメンバーでもある、これは本当に若手のフィドラー Courtney Granger が飛び入り、Mark Meaux とフィドルを交代した。 そうしたら・・・・Bluerunners ではなく、フツーのケイジャン・バンドになってしまった。 Courtney の方がフィドルは上手い(年期が違う)けど、Mark はやはり個性あるのね。

 良かったのでずっと居たかったけど、今夜は今回 Lafayette に来た大きな目的、 Sonny Landreth のライブ・レコーディングを見に Grant Street Dancehall に行かなくてはならない。 前座なんかなかったら良かったのにぃー!と思いながら、後ろ髪〜、で午後 11 時前に Bluemoon Saloon を出る。

 Jonston St.を渡り、車までてくてく歩いてると暗い道で「アツコ〜」と呼ぶ声が。 黒い声だったので、Paul さんかぁ〜?と思ったら、最近 Geno Delafose のドラマーから独立して、 アコーディオンを弾くフロントマンとしてソロ・デビューしたばかりの Curley Taylor だった。 奥さんと、バンドのキーボードと一緒に歩いてた。 わああああ、Curley やああああ!久しぶり〜!丁度良かった、話する事あったので。 ばばばばば、と話をして昨夜は El Sido’s で演ったのを聞いて悔しがり、明日は見に行くから、と言って別れる。

 予想外に時間食ってしまった。 Johnsotn から Cypress 通りに出るが、フェスが終わった車で混んでいて進まなくて、いらいらする。 やっと Grant Street に着いたが駐車スペースなし。 裏の線路に行くと、一台分あいてたので、縦列駐車でがががっと突っ込み、ホールへ。 ホールからは、いっつも Sonny が一曲目に演る Z−Rider が聞こえて来た。 取り敢えず一曲目と思われるのでちょっと安心。


Sonny Landreth

 中に入ると、じろうさんも居た。 ぐつぐつには混んでいなくて後ろの方なら歩き回れるし、丁度良い感じ。

 今夜の Sonny はいつもに増して慎重に弾いてるのが解る。 しかし、いつもながら地味な服である。殆どのお客さんより地味かも知れない。 ドラムの Kenneth もコンビニに行く感じの服やし、ちょっとミュージシャンらしいのはベースの Dave Ranson くらいである。 DVD 撮らないからええんか?いや、録画してもあんまり服に気を使いそうな感じもしないが・・・


Kenneth Blevins

Dave Ranson

 ステージ左端で Sonny のギターをチューニングしているギターテクニシャンの Jason の近くで見ながら、 セットリストとかキーをメモした。 この Grant Street で Sonny を見るのはいつもの事なので、ご本人の緊張とは裏腹にリラックスして楽しむ。 ギターはストラトとレギュラーのレス・ポールで、日本にも持って行っていた Transperformance (144 のプリセット・チューニングにボタン一つで変えられる)は持って来てもいなかった。

 *曲目などは、CD がリリースされた時のお楽しみ、という事で書きません。

 Sonny のファン・サイト「Broken Hearted Road 」をやっている Genny という女性がカリフォルニアから来ている筈。 本人には会った事ないんだけど、掲示板にたまに書くのでメーリングリストに入っているのだ。 前の方にいたお揃いの Sonny's Crewe のボーリングシャツを着た一団を見つけ、アンコールの前に Genny を探して話をしに行く。 彼女はお母さんと一緒に来ていたが、とても感じの良い人だった。

 終わってからも Jason と色々話す。 彼自身ギター弾きなんだけど、他の人のギターのメンテナンスとか、ギター制作もするなかなかの好青年。 Jason は「あんなに神経質になった Sonny は初めて見た」と。 おでこに井戸のマークついてたよなあ・・・


Sonny のギター・テクニシャン Jason

 楽屋では、Sonny が今日の録音を聴いていた。 あとのメンバーはリラックスしていた。 楽屋は器材でごった返している、という話を事前に聞いてきたのだけど、12 月の Medicine Show の時よりはすっきりしていた。

 夜中の 1 時過ぎ、ようやく Grant Street を出る。 Opelousas に帰ると皆寝静まっていたので、こっそりとお風呂に入って寝る。



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