9/19 (Fri) 谷口敦子クロスレポート

良いお天気。

 昼からの Downtown Alive に行く前に、Evangeline Throuway にある観光案内所(Tourist Information Center)に行って、Festivals Acadiens のポスターと、印刷されたスケジュールを貰う。 自転車のロックチェーンを忘れてきたので、向かいの Walmart で買う。

 Downtown Alive の昼の部は、11時半から始まっている。 Parc San Suci という公演なのだけど、こんな所ダウンタウンにあったっけ? 再開発で作ったのかな?

 昼の部に出演は、Mouton Noir(ムートン・ノワール) というケイジャン・バンド。 実質的にはアコーディオンだけが Mouton Noir の人で、フィドルとアコギは Charivari と Lafayette Rhythym Devils の Mitch Reed と Randy VIdrine だー。 3人のアコースティック・セットで、お客さんものんびり踊っている。 影に入るとそうでもないけど、日向は暑い。(日焼けしてしまった)

 影になるステージの後ろで座っていると、黒人の男の子がいて、ミュージシャンっぽいので聞いてみたら、Lil Pop Ledet だという。 前に友人から「彼はええでー」と聞いていたので、どんなアコ弾くの?とか少し話す。 ケイジャン・アコ、3ロー、ピアノ・キー、全部弾くそう。 日曜にワークショップに出るので、見に行くね、と言う。

 1時半頃、演奏がお開きになったので、T−Coon のダウンタウンに行って、お昼。 クロウフィッシュ・エトゥフェーと、キャットフィッシュ・フライを注文。 Mouton Noir で踊ってたダンサーの人たちも来ていた。

 宿に戻ってしばらくすると、電話が鳴って、日本語で何か言ってるのが聞えた。 これはきっと、中林さんに違いない、と取ってみると、正解。 お話するのは初めてだけど、色々今日からの予定を相談。 彼らは今日の予定は未定だけど、夕方からの Downtown Alive は無料だから、行きましょう、と言って、そこでお会いする事に。 New Orleans のウダさんもいらしてて、彼女は Bluemoon Hostel に宿泊。

 5時過ぎにダウンタウンに向かう。 夕方の Downtown Alive の会場は、Parc International といって、かなりでかいパビリオンが作ってある。 そういやあ、春にジロウさんと Dwyer’s で食べたとき、この建物見えてたな。 これも新しいと思う、以前見た記憶が無い。

 Festivals Acadiens のオープニング・セレモニーに続き、まずは Bruce Daigrepont(ディグレポン)Cajun Band。 Bruce は家族のルーツは南西ルイジアナなんだけど、本人は New Orleans で育っていて、活動もそっちがメイン。 そのせいか、ケイジャンにしては都会的な所がある。 よい曲を書くし、アコーディオンも良い。 ここの女性フィドラー、Gena Forsyth も、勢いがあって好き。 ステージが大きいので、今日の彼は小さく見えるが。

 この辺で、Corolado からいつも来る常連のおじいさんに会う。 やー、踊ろう、踊ろうと言われて2曲踊ったのだけど、私はそこで汗だく。 彼は涼しい顔をしていたが、どんな心臓の持ち主なんだ?? 確かこの人、80歳とか聞いたけど・・・・ 次に誘われたら、ぶっ倒れそうなので、避難(笑)して、会場を歩き回る。

 すると、芝生のあたりに、これはどう見ても中林さん御一行、という3人組を発見。 声をかける。 中林さんは、雰囲気は思っていた通りの人だった。 ここで色々と「何見た、かに見た」と情報交換。 今夜これから何を見に行くかであるが・・・ 私はやはり、Grant Street の Steve Riley には行くけど、その前に Bluemoon Saloon の Bluerunners にも行きます、と。 彼らは Bluerunners には行くけど、Steve Riley か El Sido’s の Step Rideau(リドー)かで迷ってはりました。

 Bruce Daigrepont が終わって、次は Dwayne Dopsie & The Zydeco Hellraisers。 ギターは春に見たときのヒロナリさんにあらず。 まず、黒人のソウルっぽいギターが歌って、そのあとローディーのようなおっさん(ステージに出るんなら、もうちょっとマシな格好せええ)が歌う。 その辺で Dwayne 登場。 最初から飛ばす、飛ばす。 ラブボードの白人の兄ちゃん、右腕に「守」という刺青が・・・ そうか、彼は「まもる君」なのか、という事になる。

 かなりの人出になってきて、Dwayne が終わるまでいたら、車が出せなくなりそうなので、中林さん達ともども、少し早めに出て Bluemoon Saloon へ。 付いたら、予定時間の8時はとっくに過ぎてるのに、まだ始まってなかった。

 入った所すぐに Bluerunners のアコーディオンの Adrian Huval が座っていたので、挨拶して話す。 隣に見覚えのある顔が・・・と思ったら、去年から Steve Riley のベース弾きになった、Brazos Huval 君ではないか。
「まだ Grant Street 行かんでええの?」
「さっきリハ済ませて、こっちに遊びに来た」
てっきり Grant Street にいるものと思い込んでいるので、気づかなかった。
Adrian と Brazos は従兄弟で、しょっちゅう一緒につるんでいる。
Adrian が「今日は Grant Street 行くの?」と聞いてきたので
「多分・・・(小声で Brazos に聞こえないように)もしかしたら、El Sido’s になるかも知れんけど」
と言うと、笑ってた。
奥の方で、先に着いていた中林御一行が、席を確保しておいてくれた。
Adrian に中林さんを紹介して、彼のアコ(Acadian 製)を少し弾かせてもらう。

 演奏が始まったが、なんだか凄い人。 座ってる目の前に、他人のおけつが・・・・という状態。 というか、ステージが見えないいいいいい。 聞きたい曲を演った時には、人を掻き分けて前に見に行ったけど。

 Bluemoon があんまり混んできたので、こっちも早めに出る。 取り敢えず中林御一行も Grant Street Dancehall の Steve Riley & The Mamou Playboys には行く事になって、車を連ねて行く。 このハコは、一度見ておいてもらいたかったので、良かった。 Grant Street の回りも結構いっぱいで、駐車スペースがない。 裏の線路の所まで行って、ようやく停める。 こっちは10時きっちりから始まっているのか、中から演奏が聞こえていた。 前でお金を払おうとすると、ジロウさんがいた。 中は混んでいるけど、ぎしぎしではない。

 さて、ステージを見ると、あれ?Balfa Toujours のフィドラー、Kevin Wimmer がいる。 そうか、これが「新譜発売記念コンサート」のスペシャル・ゲストかー、ツイン・フィドルでええやんか。 あー、Steve Riley もフィドルに持ち替えるので、トリプル・フィドルか?

 ちょっとしたら、FeuFollet(フォーフォレー、10代のケイジャン・バンド)のアコーディオン弾き、Chris Stafford がギターで加わった。 Sam Broussard の右側、ステージの端でアコギ、エレキ使い分けて、時たまソロを振ってもらっている。 Sam もニコニコして、そりゃ親子の年(以上か?)離れてるもんなあ。 そうこうしてると、元 File(eの上にダッシュ、フィレー)のキーボード、David Egan も入った。 遅れて行ったけど、聞きたかった Bon Reve と、Vini Jille は聴けて良かった。

↓↓ Steve Riley ファンの人(居るのか?)、これから読まなくていいぞー↓↓

 私はそれほど Steve Riley のファンではありません。 彼はすごく上手いアコーディオン弾きで、歌も良いんだけど、どうも硬いというか、ぶっちゃけたのが好きな私には、はっきり言うて物足りないのだあー。 しかししかし、2年前に Sam Broussard が加入してから、音が変わった。 バンドを底から持ち上げる効果のあるようなギターを弾くので、ボトムがしっかりして、すごく良くなった。 それ以来、見るのが楽しみになりました。

 Sam はもともと T−Mamou というバンドにいた頃に知ったんだけど、(昨日のレポートの会話でお解りでしょうが)かなりぶっちゃけた性格の人で、それがバンドに好影響を与えていると思う。 しかし、ぶっちゃけてはいるけど、とっても心地よいギターを弾く人でもあります。 Sonny Landreth と同じくらい好き。

 で、彼の全面的に参加した Steve Riley の新譜、Bon Reve は良いです。 買ってから、ほぼ毎日聴いてるくらい。 ケイジャン・バンドのギタリスト一人でこんなにバンドの音が変わるものなのか・・・と思っています。 もともと好きなギター弾きだったけど、まだ過小評価してたと思います。
ごめんよー。

*** 以上 ***

 さて、コンサート・レポートでしたね、ははは。 ギターばっかり誉めたけど、ベースの Brazos Huval 君(まだ19歳くらいで若い)も、良く歌うベースで良いのでした。 Steve Riley デビューから活動を共にするフィドラーの David Greely も良いフィドラーでありまする。

 お客には、Terrance Simien や、ステージ終えてやってきました、Dwayne Dopsie 御一行もいます。 休憩が入ったころ、中林御一行は El Sido’s の Step Rideau へ。 ウダさんは脱落!で宿舎に戻られましたー。 私は居心地が良かったので、居残る。

 休憩になったとき、ちょうど用事のあった Kevin Wimmer に話に行く。
「あ、明日は Preston Frank のバンドには入るんですか?」
「ああ、入るよ、それと、早いうちに Ray Abshire にも入るよ」
「あー、そうですか、見に行く予定してたんで、良かった」
いつもニコニコの Kevin さん、今年のフェスには出まくりでした。

 2部もなかなか良かったんだけど、Steve のスワンプ・ポップ・チューンがあまり好きでないので、外に行って人と話したりもする。 Grant Street Dancehall は割とメジャーなロックもやるハコなんだけど、リラックスして聴けるから好き。 外に出ても、デッキで誰か喋ってるし。

 ステージ最後は新譜に入ってるア・カペラで締める。 あー、これは良いですね。 アンコールやらんでもええくらいでした。

 終わってから片づけてる Sam に
「あー、フェスではいつも私、走り回ってて、話できひんから、今のうちにしとくわ」
と、あまりバカでない話をしてると、以前この Mamou Playboys や、Balfa Toujyours でベース弾いていた Kyle Hebert(エイベアー)がやってきた。
「Kyle 君、今、誰と演ってるの?」
「Roddie Romero」
そうかー。

 El Sido’s はまだやってるかも知れないなー、けど、明日もあるから帰ろ、と言う訳で、2日目も忙しかったなあー。

20日あとがき:この日、Bruce Daigrepont でおじいさんと踊った時に、カメラをバッグに仕舞ったんだけど、その時にシャッターに触れてしまったようで、それ以降の写真が皆、お釈迦様になってしまいました。 よって写真は中林さんのレポートを見よう。

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