9/18 (Sat) yoshitake レポート

Cafe Des Amis, Breaux Bridge,Zydeco Breakfast:
J.J.Callier & the Zydeco Knockouts

 昨夜は就寝が AM 3:00 頃だった為、ちょっと遅れてしまった。 そうは言ってもAM10:00前には入店したので良しとする。
ちなみにこの Zydeco Breakfast は Lafayette 中心から少し東よりの Breaux Bridge という街にあるカフェ Cafe Des Amis にて 毎週土日の朝 8:30 から 11:30 まで行なわれている。 ホテルからは車で約30分ぐらい。Breaux Bridge の橋アーチに描かれている大きなザリガニが目印。

 バンドの音と店の前が人で溢れているのですぐ判る。一瞬もう入れないのかな?と思ったが、 店の前でコーヒー飲んでる人達は自主的にそうしてるだけらしく問題なく入店できた。 まず入ると名前と番号を渡される。テーブルは埋まっているのでそれの順番待ち番号らしい。 テーブルが空いたら呼ぶから、それまではカウンターで飲み物頼んだりダンスしててってこと。 ここでも忘れずスタッフにビデオ撮ってもいいかい?と許可を頂く。

 しかし、、、朝っぱらからおかしいんじゃないか?!昨夜のナイト・クラブとここのテンションは同じじゃないか。 今何時だと思ってんだ?!
キミ達には「すがすがしくて、ちょっとアンニュイな朝」という言葉が理解出来ないのか? でも、ある意味健康的かもしれない。ノンアルコールだし、朝ジャージ着て近所を走るのと同じ。それに楽しいし。 此処でも Warren Williams さんとバッタリ。朝でもダンス上手いね!
この日のホスト・バンドは J.J.Callier & the Zydeco Knockouts

 J.J.Callier は鍵盤アコーディオンと1ローアコーディオンを曲によって持ち替え。 なかなか勢いがあって、曲の仕掛けも多数練っていて良かった。
アレンジはボー・ジョック系が多し。ラブボードの人は終始眠そうだったけど(笑)気の利いたコーラスワークが際立つ。
暫くして、店のお姉さんがテーブルに案内してくれた。メニューにはオムレツが一押しのようで色々な種類があった。 二人で「Zydeco omelet」と「何とかクロワッサン」プレート($7.00 ぐらい)を注文。オムレツにオクラだかエトフェだか何かスープがかかっていて、 付け合せにパン、サラダ、チーズなど、ボリュームあるけど味付けが全体的にサッパリしてて旨い。

 そろそろフェスティバルの方に戻ろうと思い、まだ終わってないけど帰ることにする。 帰り際、手売りでスタッフから「The Good Bad And Ugly」を購入。 なんだか J.J.Callier は俺等のことが珍しいんだろうか? 演奏中もチロチロ見てたので「おーい、良かったよ、CDも買ったよ」とジェスチャーしたら、 そりゃあもう、ニッコリと嬉しそうな顔をしてくれた。
ふむ、やっぱり、いい朝でした。

 昼前に Girard Park ,Lafayette で行われる Festivals Acadiens に向かう。

Joe Hall & Mitch Reed


 主に大きいステージとちょっと小さいテントステージがあるのだが、丁度着いた頃はこの二人が 大きいステージの方で始まるところだった。 いやこれが、かなり良かったんですよ。Joe Hall の歌声はマッタリとしていて太っとい声。 それを支える Mitch Reed のフィドル。南西ルイジアナの情景が染み込んでくる。 昨年にはこの二人でアルバム「Joe Hall and Mitch Reed」(まんま)を出していた。 なかなか良いのだけど、Joe Hall の歌声がやっぱり CD では実際より細く聴こえてしまうのが勿体無い出来。 この CD を聴く時は限りなく低音と音量を最大にして聴きましょう。


Dexter Ardoin


 昨年はバンド体系で見ることが出来なかったので今年期待していた内の一人。 メンバー構成はドラムス、ベース、ギター、フィドル&ギター、フィドル、そして Dexter がアコーディオン。 メンバーにラブボードは居ないようだが、今回はゲストに Zydeco Joe がラブボードで入っていた。 このフィドル二人の感じも結構イケル。 ベーシストは兄弟らしく聞き間違えじゃなければ「がすたー・あるどわん」と言っていた。


 Dexter 自身は最近のヌーボー・ザディコではなく クレオール・ミュージックをやりたい。という主張を持ってるらしい。 たしかに普通のザディコとは肌触りが少し異なる。 しかし難しいことは気にせず単純に踊れて楽しい。ザディコ特有のベース・ドラムもバカデカイ音だし、 Dexter のアコーディオンも超技巧派でありながらも力強い。 フィドルの Cedric もなかなかのエンターテイナー。そう言えば彼は会場で会った時に 「昨夜クリスのライブでアコーディオン弾いたんだって?」(敦子さん訳)とガッシと握手してくれた。嬉しい。

 ステージ前には Dexter の子供が居た。そっくり。 一生懸命踊っているんだけど、まだ両足を地面から離すことが 出来ないらしく上半身・両腕をピョコピョコ動かして踊る。何だっけ、一昔前に流行った「フラワーロック」 に似ていてカワイかった。


Larry Miller : Bon Cajun Accordion

 はい、今年も遥々会いに来ましたよ。ラリーさん! 「先日作ったアコーディオンの調子はどうだい?」という挨拶からカタコト英語で話しかけてくれた。 早速色々なアコーディオンを弾かせてもらう。ボージョックのギブ・ヒム・コーンブレッドをやったら 見ていた黒人さん達に大ウケだった。聞くとその中の女の子は Dexter Ardoin のフィアンセだそうだ。 なんだ、まだ正式に結婚してないのにあんなにカワイイ子供居るんだ!(とは英語では言えませんでしたけど) 色々話しかけてくれたんだけど此処でも英語力不足、聞き間違えじゃなければ「今度日本に行く」だか 「日本に行ったことある」ようなこと言ってた。誰か日本に Dexter Ardoin 呼ぶ企画立ててる? それとも「Chris は日本に行ったよ」というだけの話かなあ?

 暫くの間、ブース内でアコーディオン試奏する。なんだかその方がお客さんも集まってくるらしく、 ちょっと演奏を止めるとラリーさんは「ささ、弾いて弾いて。さっきやってた Midland two step をもう一回やって」と言う。 ええ、そりゃあラリーさんの商売を手伝ってることになるんだったらやりますとも。

Corey "Lil Pop" Ledet

 この人も Dexter 同様、昨年はバンド体系で見ることが出来なかったので今年期待していた内の一人。 いやもう、体系もそうだけど、パワフルだった。明らかにヌーボー・ザディコと言ってもいいんだけど、 クリスとはまた違う、もうちょいトラッド寄りかもしれない。しかしトラッドな曲でも原曲の歌メロラインの 料理の仕方が独特で面白い。アコーディオンは 1 ローと 3 ローの持ち替え。 それと、ここのラブボードの人、なかなかイイ味出してる。 スタイルとしてはジノのところのケイブマンとそっくり。且つ、粋な掛け声を入れてくる人。 ドラマーも今回見た中では一番のファットなリズムを繰り出していた。 こちらにもゲストで Zydeco Joe がラブボードで入っていた。

 ちょっと気になったんだけど、このテントにはちょろっと照明が付いているのはいいけど、スポットの狙いが外れててずっと Dexter の 「腹」に当たっていた。


 午後 9 時半過ぎ、Hamilton's へ向かう。

Hamilton's:
Geno Delafose & French Rockin’ Boogie

 駐車場に車を止めたら隣に続いて車が止まった。また Warren Williams さんだ(笑)

 着いた頃にはもう結構混んでいた。昨年はグツグツの Keith を見に来たお店。 でも、Geno のお客さん達は Keith ほどモウレツは人達ではなく、初老の方やスマートにカウボーイハットと ワングラーのジーパン、ウエスタンブーツといういでたちのおしゃれな人が目立った。 なので結構楽にステージ前に行ける。


 しかし此処 Hamilton's は数あるナイトクラブの中でもステージに満足な照明が無い。 ステージに身を乗り出す感じでメンバーに一生懸命手を振ると、 やっとみんな「あっ、今年も来たね」と気付いてくれた。 Geno は 2,3 曲演奏しては少し間を置く。なのでその時を狙ってビデオ撮影許可をもらいに行った。 Geno が他メンバーと話し込み中だったのでギターリストのケント・オーガストに言うと意味は判ったらしいけど 下手な俺の英語に戸惑ったらしく「うんうん、ちょっとジノにも一応聞いてみよう」と言って Geno を呼んでくれた。 Geno も俺等のことを覚えていてくれたようで「やあやあ、もちろん OK さ、問題無いよ」と握手してくれた。 手デカイ。ブ厚い。


 選曲は昨年見た時よりもかなりトラディショナルなものが多かった。ドラマーがカーリーテイラーから ジノの親戚(名前忘れました)に変わったからだろうか? また、昨年はほとんど 1 ロー・アコーディオン、オンリーだったが、今回は 3 ローアコーディオン、 鍵盤アコーディオンも多用していた。 この人はスーテジングにあまり派手さは無いけど、Geno の地に足が着いてるというか、淡々と歌いあげる様と 独特の安定感のあるアコーディオン、曲を完璧に理解しきっている他メンバーの音の固まりはやっぱり素晴らしいと思った。

 左写真この飛入り Rub Board オッサンは誰だ?!
このオッサンは中盤に 2 曲だけ参加したのだが、それは凄まじい奏法だった。普通はどちらかの手が細かく刻み、 もう片方の手は二拍毎に引っ掻くという奏法が一般的なんだけど、このオッサンは両手一緒に細かく上下する。 そう、赤ん坊がダダこねてるような感じと言ったら解かり易いだろうか?それも、超高速で辛そうな表情!
明らかにメンバーの Rub Board のケイブマンより年上に見えた。お父さんか?兄ちゃんか? 2 曲やったらさすがに疲れたらしく(あたりまえだ)、 「ケイブマン!ケ〜イブ〜ン!」とゼイゼイ息を切らせてケイブマンと交代をしていた。

 深夜 0 時頃、Grant Street Dancehall へ向かう。

Grant Street Dancehall:
Keith Frank & the Soileau Zydeco Band

 今夜は午後 9 時から Steve Riley で、午後 11 時半から Keith Frank がやっているはずだった。 しかし、深夜 0 時半頃に着いたのだが、音が聞こえない。Grant Street Dancehall 前には沢山の人だかり。 どういう事か?と思い受付の兄ちゃんに聞いてみたところ、何言ってんだか判らない。 しかし、ライブが終了しているんならこの人だかりはないだろう。きっと前の Steve Riley が押して今は 転換の間かな?と思って車の中で暫く待った。ふと眠気に襲われる瞬間に音が聞こえてきた。よかった、諦めて帰らなくて。 翌日、敦子さんに聞いてみたらクラブ側の電気系統故障だったらしい。そうか、あの店の兄ちゃんが 長々と説明してくれてたのはそういう事だったのか、、、。

 一足遅れて入店すると、すでに中は盛り上っていた。早ええ。
Keith は 3 ローのデカいアコで煽る煽る。「ブシャ〜ッ」というアコの爆音。こりゃタマらんです。 1 ローに持ち替えも曲の隙間が無いようにサクっとやります。 ライブ全体を通して曲と曲の間が絶妙な繋ぎでステージングが上手い。お客も無理矢理楽しまされる。 KBONのDJ ポール氏が呼んでいたように現在の「ZYDECO BOSS」間違いなし。


 本日のキースはカウボーイ・スタイル。いつもは原色のTシャツかアロハなんだけど、こういったスタイルもなかなかカッコイイな。

 事前情報で Keith は以前に勝手に撮られたビデオがブートで出回っちゃった為、 かなり神経質になっているのでビデオは撮らない方がいい、と聞いていたので半ば諦めていていた。 でも、見ているうちにビデオに収めたいという衝動が抑えられなくなってステージ前へ行く。 アコを弾いてる真っ最中の Keith に向かってビデオを高く上げてジェスチャーで「ビデオ撮ってもいい?」と 無理矢理頼んでしまった。Keith は気付いてくれて首を縦に振ってくれた!


 そういえば意外な選曲としてはミーターズのシシーストラットをやってたな。Keith はギターで。 Keith は最近、アコーディオンでなくギターを弾く時間もかなり多い。そんなに上手くはないと思うんだけど(ごめん) 選曲の妙なのかメンバーもお客も結構盛り上る。 それと見所のひとつとしてバンドメンバーにギターリストで George Lee という Keith より明らかに年上のオッチャンが居るんだけど バンド内キャラとしては「ボケ役」としていぢられてる。演奏中でも Keith に「ちゃんとやってるかぁ!」 という感じで乳首摘まれたり、、、地元の客は笑ってウケてるけど、慣れてない俺なんかが見ると 「そ、そんな年上の方をぞんざいに」とちょっと痛々しく思ってしまう。

 ライブ終了後、機材撤去している間を見てキースに「ビデオ撮らせてくれてありがとう」とお礼に行く。 「Welcome!」と言ってガッシと握手してくれるんだけど、やっぱりブ厚くてデカい手だった。

※機材について
 ナイトクラブを廻っているザディコ・ミュージシャン達は自分の楽器はもちろんのこと、PA・ミキサー卓まで 自分達で所有している。ほとんどのナイトクラブにはステージ空間と僅かな照明器具しか無い。 特徴のあるサウンド自体も自分達の「売り」という事だ。 機材撤去の様も結構見物で、かなり手慣れた「技」で素早く片付けてゆく。キース達のセットではドラムセットに工夫が見えた。 ドラムスにちゃんとマイクをセッティングしたらかなりの数のマイクスタンドが必要になる。 しかし、キース達のドラム・パーツには一個一個、つまりタムやスネアなどには四角い箱のようなマイクが本体に付いていて、 ミキサーからシールドをプスっと挿すだけで OK な細工がしてあった。ギターにシールドを挿す感覚と同じ。 撤去する時はそれらシールドをズババババと抜いて、ドラムセットを普通にバラすだけ。 マイクスタンドは必要無いし、ドラム・パーツに付いてんだからマイクを忘れてくことも無いでしょう。




        


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